女性の理系人材を増やせ! カギは親の“認識”にあり【WBS】
転職サイトの「ビズリーチ」が10日、女性の理系人材の獲得に繋げるため、あるイベントを開きました。主な対象は中高生の子どもを持つ保護者です。その狙いを取材しました。 【動画】日本の男女平等は世界で118位 順位改善もG7では最下位 女性の理系人材のキャリアをテーマにしたイベント「理系の学びで広がる、キャリアの選択肢と可能性」。理系分野に興味を持つ女子中高生とその保護者80人以上が会場やオンラインで参加しました。なぜ保護者が対象なのでしょうか? 「親が理系に進みたいという女子に対し、進学先がないのではという懸念を示すことがある」(ビズリーチの宮本千聡さん) 子どもの進路に大きな影響を持つのが親の意見。「女の子は理系に向かないのでは」「理系に進んでも仕事がないのでは」などという認識から理系への進学に反対する親も多いといいます。実際、日本の理系大学への女性の進学率は19%とOECD加盟38カ国の中で最低水準です。 「理工系女性の採用を拡大したい企業は約64%を占めている」(宮本さん) イベントでは女性の理系人材のニーズが高まっている現状や、好待遇の求人が増加していることなどを紹介。親の世代の認識を変えることを狙います。 参加した保護者からは「彼女(娘)の将来にも幅広いオポチュニティー(機会)があることを生で知ることができて、とてもいい機会だった」「幅広い業界でも理系の人たちが求められていることを知ることができた」との声が上がりました。 ビズリーチの宮本さんは「理系女性を育成していく前に、正しくキャリアを知ってもらうことが大切」と話します。
女性活用が進まない理由に親世代の“思い込み”?
「こちらをご覧ください。ジェンダー・ギャップ指数です。1に近づくほど、男女の格差がないということですが、日本は146カ国中の118位とまだまだ男女の格差が大きい」(相内優香キャスター) 「ジェンダーギャップを4つの要素に分けてみると、日本は教育、健康の2つはトップクラスである一方で、経済力、政治参画の男女のギャップが非常に大きく、課題です。その具体例が報酬水準が高い理系のキャリアに進む女性が少なく、そこでなかなかキャリアを築けていないということ」(エール取締役の篠田真貴子さん) 「中高生の頃から理系のキャリアを考える必要があるのでしょうか」(相内キャスター) 「将来の進路を考えるときに、親、学校の先生の影響が大きい。例えば『これは男性の仕事、これは女性の仕事』といった性別の役割分担意識が、親や学校の先生は世代的にまだ強く、なかなか変わっていない。ここを変えていく必要がある。極端に言うと『理系に進学すると結婚できないのではないか』、あるいは『家庭の中で女性、妻の方が給料が高いとよくないのではないか』と周りの大人が言ってしまうと子どもは躊躇してしまう」(篠田さん) 「理系とひと括りに言っても職業選択は多様ですし、ステレオタイプから脱しないといけない」(相内キャスター) 「今、女性エンジニアは引っ張りだこで報酬水準も高いし、将来性もある職業。良かれと思って親や先生が行うアドバイスと現実がずれているなら、アップデートしないといけない。中高生の子どもたちは医者や薬剤師というようなロールモデルしか見えづらいが、エンジニアのような理系の仕事がもっと高く評価されていることを、まず大人から知る必要があると思う」(篠田さん) 「女性も男性も理系の成績がよいとすぐに医学部、薬学部だとなる。これが日本のテック企業を育ちにくくさせている遠因になっているのでしょうか」(豊島晋作キャスター) 「それは一つあると思う。男女に限らず中高生の進路を選択するときに成績が良いと、自動的に豊島さんが言ったような進路を進めてしまう。そこから脱却していきたい」(篠田さん) 「親、先生から変えていかなければいけないということですね」(相内キャスター) ※ワールドビジネスサテライト