相次ぎ殺害された市長選候補 メキシコ自治体を恐怖が支配
マラバディオ、メキシコ、2月29日 (AP) ― メキシコ中西部ミチョアカン州のマラバディオで、市長選挙に立候補していた有力候補者2人が、数時間以内に相次いで殺害された。 6月2日には国政選挙が予定されており、選挙運動は3月1日から解禁となるが、当局はこれまでで最も暴力的な選挙になる可能性があると危惧している。 2021年の国政選挙では、全国で30人以上の候補者が殺害された。 国民行動党のアルマンド・ペレス・ルナ候補は2月27日、マラバティオで零時少し前、車の中で殺害されているのが発見された。 それより数時間前、国家再生運動党のミゲル・アンヘル・サバラ候補が同じように車の中で殺害されているのが見つかった。 昨年も国家再生運動党の市長候補が殺害されている。 ハイメ・ヒノホサ・カンパ市長は、市長候補に対する脅迫があるとは聞いていないが、「すべてが、殺人の背後に組織犯罪が関与していることを示している」と述べた。 監視団体は政治的暴力に関する1月の報告書の中で、「2023年は我々のデータベースで最も暴力的な年だったが、2024年はもっとひどくなることを示唆している」と指摘している。 中西部のミチョアカン州は、ハリスコ新世代カルテルが、地元の犯罪組織ビアグラと支配権をめぐって争っており、犯罪組織間の抗争で特に大きな打撃を受けている。 2023年に政治家や政府関係者が襲撃された件数が、ミチョアカン州は南部のゲレーロ州と北部のグアナファト州に次いで5番目に多かった。 犯罪監視団体によれば、1月だけで、メキシコ国内で立候補を予定していた5人が殺害されたという。 地元企業や地方自治体から"みかじめ料"を脅し取ることで財を成している犯罪組織にとって、 市長選は国政選挙よりも重要であり、しばしば暴力的になる。 (日本語翻訳・編集 アフロ)