中国・世界最大の洋上風力発電プラットフォーム完成
【東方新報】世界最大のシングルプラットフォーム浮体式風力タービン「オーシャンX(OceanX)」の建設が3日、広東省(Guangdong)の中国船舶工業集団(CSSC)黄埔文冲造船廠(Huangpu Wenchong Shipbuilding)で正式に完了し、中国の洋上風力発電産業がまた一歩前進した。 オーシャンXの開発企業、明陽智慧能源集団(Mingyang Smart Energy Group)の話によると、この風力タービンは年間平均5400万キロワットアワーの発電が可能で、家族3人の家庭3万世帯の1年分の電力需要を満たすことができる規模だ。 オーシャンXはまた、世界で初めてのデュアル風力タービン浮体式洋上風力発電プラットフォームで、先駆的なV字型タワー構造を持ち、総設備容量は16.6メガワットである。この浮体式プラットフォームは、数か月以内に広東省西部の陽江市(Yangjiang)の沖合に設置される予定だ。 洋上風力タービンは、エネルギーコストを効果的に削減することができるという。稼働と保守のコストが低く抑えられるオーシャンX の完成は、今後の洋上発電の沿岸海域からさらに沖合への拡大に寄与すると期待される。 オーシャンXは一般的な風力発電プラットフォームとは異なり、海に浮かぶY字型の土台構造、ラグビーボール型のフロート3基、V字型のタワー1基、風力タービン2基で構成されるユニークな形状になっている。 プラットフォームの総排水量は約1万5000トン、喫水は5.5メートルで、水深35メートル以上の海域で使用できる。台風が直撃した場合、タービン翼が風の進入方向に向くよう自動的に角度が調整され、最大限の風力捕捉能力を発揮できる。またオーシャンXは、風速毎時260キロメートル、波の高さ30mという極限テストにも耐えられた。 浮体式プラットフォームは、今後の洋上風力発電事業の主流になると期待されている。オーシャンXの開発企業によると、中国の洋上風力発電は各地の浅瀬から深海、遠洋へと拡大しており、各地の排他的経済水域で計画されている洋上風力発電プロジェクトは1億5000万キロワット以上の規模に達しているという。 陸上風力発電に比べ、洋上風力発電は豊富な風力資源、十分なスペース、低い送電コストなど多くの利点がある。 中国再生可能エネルギー学会によると、昨年末までに160以上の洋上風力発電所が12の沿海地方に建設され、7000基以上の風力タービンが設置された。総設備容量は3900万キロワットを超え、これは三峡水力発電所の1.7倍に相当するという。 中国再生可能エネルギー協会は、中国は世界で最も完全で費用対効果の高い新エネルギー産業チェーンを確立し、世界の新エネルギーへの移行と気候変動への対応に強力なサポートを提供していると強調している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。