星組「夜明けの光芒」大阪公演が開幕 暁千星が「大いなる遺産」の宝塚歌劇34年ぶり上演に挑戦
宝塚歌劇星組スター・暁千星(あかつき・ちせい)の主演ミュージカル「夜明けの光芒(こうぼう)」(脚本・演出、鈴木圭)が3日、大阪の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで初日を迎えた。 イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの名作「大いなる遺産」が原作。歌劇団では1990年に月組(トップ・剣幸)で上演されており、タイトルは変更されたが、34年ぶりの上演となる。 19世紀初頭のイギリスの田舎町で鍛冶職人の義兄とともに働く貧しい少年・ピップが、大邸宅に住む少女・エステラに恋心を抱く。青年になったピップ(暁)は彼女の相手にふさわしい男になりたいと望むが、突然、正体不明の人物から「大いなる遺産」を相続する恩恵を受け、ロンドンで紳士に変身しようとするが…。サスペンス要素も含むヒューマンドラマだ。 大金を手にしたピップが転落して苦悩する様を、暁が繊細に表現。得意とする踊りは劇中は抑えめだったが、フィナーレでは弾けるようなソロダンスを披露した。 大人になったエステラは入団8年目の瑠璃花夏(るり・はなか)が務めた。「柳生忍法帖」(21年)の新人公演でヒロインを一度経験したが、3年たった本作で外部劇場初ヒロイン。冷酷な性格に育てられたという設定の難役だが、期待に応える演技を見せた。 9年目の男役スター・天飛華音(あまと・かのん)は、ピップが心に抱える「闇(やみ)」と、恋敵の金持ち・ベントリーの“2役”に挑み、押し出しの強さで成長ぶりを証明した。 同劇場で8日まで。東京建物Brillia HALLで14~20日に上演される。
報知新聞社