古書店はもうかるの? ── 大阪で「古書店開業支援セミナー」
古書店はもうかる? との問いに「家族4人がなんとか食べている」
パネルトーク「古本屋のホントのところ教えます」では、天地書房の今木宏直さんら働き盛り世代が、実際の仕事ぶりを披露した。 「売れ筋は生き物のように変わる。売り時を逃すとくやしい」「店舗の維持にはコストがかかるが、ときおりものすごい逸品を持ち込んでいただける点が何よりの魅力」などの意見から、古書ビジネスのだいご味が伝わってきた。 「古書店はもうかるか?」との質問には、「家族4人がなんとか食べている」「儲かるかどうかは分からないが、長い間やっていても苦にならない」などと、ときおりユーモアをまじえながら答えていた。 セミナー終了後、希望者を対象に市会会場の見学会を開催。市会会場が古書店関係者以外に公開されるのは、きわめて珍しい。市会が目前に迫り、多くの古書が運び込まれ山積みされている様子を、参加者たちは興味深そうに見入っていた。
ブックカフェ開きたい30代から定年後の店舗開業を目指す人らも
和歌山県からやっていた30代の女性は、市会会場の見学会にも参加。現在仕事を辞め、古書を扱うブックカフェの開業準備を進めているという。「読書会などを開ける場所が和歌山にありません。本好きが気軽に集まれるカフェを作りたい」と夢を語っていた。 まもなく定年退職を迎える夫とふたりで始めたい店舗の候補として、古書店を検討しているという女性もいた。本離れが指摘される中、本への愛着を強める人たちが少なくない。新たな挑戦や第2の人生の選択肢の1章に、古書店が組み込まれているようだ。 古書店開業の問い合わせは、大阪府古書籍商業協同組合(06・6767・8380)まで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)