30人が豊作と伝統継承祈願 主基斎田跡でお田植え祭 鴨川の明治神宮崇敬講(千葉県)
明治天皇即位時の「大嘗祭(だいじょうさい)」に奉納されたコメの収穫地、鴨川市北小町の主基斎田跡で12日、「お田植え祭」が執り行われた。旧主基村の住民でつくる「鴨川市明治神宮崇敬講」の講員ら約30人が出席し、豊作や伝統継承を祈願した。 大嘗祭は、天皇が即位して初めて行う新嘗(にいなめ)祭。新穀を収穫する水田は、「悠紀(ゆき)斎田」と「主基(すき)斎田」の2カ所が選ばれ、明治4年の大嘗祭では、主基に安房国(現・鴨川市北小町)、悠紀に甲斐国(現・山梨県甲府市石田地区)が選ばれた。 お田植え祭は、令和の大嘗祭を機に主基斎田跡について広く知ってもらおうと、令和元年から実施。崇敬講役員をはじめ、明治神宮(東京)やJA安房の関係者らが、交流の証しとして悠紀の甲府市から送られた水を水田に注ぎ、コシヒカリの苗を植える儀式を行った。 昭和56年からは毎年、11月の明治神宮の新嘗祭に主基のコメを使った白酒(しろき)と稲穂を奉納しており、8月に抜穂祭、10月に穂ぞろい式を行う予定。鈴木美一講元(73)は「受け継がれてきた伝統を将来に引き継ぎ、主基のコメをブランド化していきたい」と話していた。