俺、頭いいぜ…テストの順位で土下座させた同級生に賠償命令 不登校になった生徒、提訴し「残念」 ノートに卑猥なイラストを描かれ、ズボンも複数回下げられていた
2019年に埼玉県鴻巣市立中学校の1年生だった男子生徒(17)がいじめにより不登校になったとして、市と元同級生の男性3人を相手取り、約296万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、さいたま地裁であった。関根規夫裁判長は元同級生2人のいじめの一部を不法行為と認め、計約10万円の支払いを命じた一方、残る1人と市への請求は棄却した。 けじめつけろ…鉄パイプで殴ってきた高校生ら逮捕 朝の駐車場で男女騒ぎ、26歳が重傷「女に手を出すな」
訴状などによると、男子生徒は「クズ」「バカ」などの暴言や暴力に加え、土下座の強要やノートへの落書きなどを受けたと訴えた。中学校がいじめの調査の際に、男子生徒に聞き取りを行わなかったなど、市側の対応にも問題があったと主張した。 関根裁判長は判決理由で、男子生徒が元同級生の1人に「俺、頭いいぜ」と言い、テストの順位を巡り勝負が行われ、元同級生が自分の順位を伝えずに一方的に土下座をさせたと認定。また、別の元同級生が男子生徒のノートに男性器などの卑猥(ひわい)なイラストを落書きしたことや、男子生徒のズボンを複数回下げたことを認めた。 残る元同級生については、小学校6年時に男子生徒を見て笑ったり、「気持ち悪い」と言ったことをいじめと認めた一方、中学校では男子生徒がやり返していた様子があり「生徒同士の社会的接触として限度を超えるものとまでは言い難い」と結論付けた。 中学校が継続していじめの調査を実施し、元同級生らの別室指導を計画するなど、いじめの訴えを受けて「可能な限りの対応」を取ったと認定し、市への請求を棄却した。
判決を受け、男子生徒の代理人弁護士は取材に「原告がいじめにより受けた精神的苦痛が十分に判断されていない。市の責任が認められず残念」と話した。市教育委員会は「現時点ではコメントを差し控える」とした。