田辺以南は「参加」1割未満 小中学校、日帰り困難、和歌山県の万博招待事業
来年開催の大阪・関西万博に和歌山県内の小中学生を招待する県の事業への参加意向調査で、県内小中学校の4割が参加を希望した一方、田辺市以南では1割未満だったことが分かった。会場から遠く往来に時間がかかり、日帰りが難しいことが主な理由という。 【小中校4割が参加意向 2割は不参加、和歌山県の万博招待事業の記事はこちら】 県は県内の小中学校や特別支援学校小中学部など約370校に対し、学校単位でチケット代全額とバス代(1人当たり3千円を超えた分)の支援を企画。6月下旬から8月末まで、参加を希望するか意向を聞いた。回答があった271校中「参加」は150校、「不参加」69校、「検討中」52校だった。 岸本周平知事は9日の定例記者会見で不参加について「会場から遠い所は日帰りが難しく、宿泊の補助がないことが主な理由と聞いている」と話した。 会場から離れた田辺市以南では108校中、「参加」としたのは9校。中でも新宮・東牟婁では、参加意向を示す学校がない市町村がほとんどだった。県によると、低学年は宿泊自体が難しいと考えられることなどから、その補助は検討していない。ただ、修学旅行に合わせて訪問を希望する場合については、来場の支援ができないか制度を設計中という。 一方、回答があった学校のうち、半数以上が「参加」としたことについて岸本知事は「ありがたいと思っている。国際的な出会いや、新しい技術などへの出合いにより、子どもの将来に大きな影響を与える機会になればうれしい」と話した。 未回答の約100校については、県が速やかな回答を促している。 県は学校側からの要望などを受け、教員による下見を万博開会前にできないかや、特に低学年などについてバスの乗降場所から会場まで歩く距離を短くできないか、休憩場所やトイレなどについての情報提供、メタンガス噴出に対する安全対策の徹底などについて、関西広域連合を通じて万博協会に申し入れしているという。
紀伊民報