【衆院選】演説会場は厳戒態勢 金属探知機にパーティション、警察犬も出動…ぴりぴり警護に「有権者と接する機会減る」嘆きも
衆院選で広島県内の一部の候補者の警護に厳戒態勢が敷かれている。2022年に街頭演説中の安倍晋三元首相が銃撃され、19日には東京都千代田区の自民党本部と首相官邸が襲撃される事件も発生。演説会場では来場者が金属探知機でチェックされ、候補者との距離が置かれるなど緊張感が漂う。 ビジュアルで分かる 候補者はどんな人たち? 前首相で広島1区の自民党前職(67)が21日に広島県海田町で開いた屋内での個人演説会。開始前に会場入り口で、陣営スタッフ約10人が来場者の手荷物の中身をチェックし、全身を金属探知機で調べていた。そばには複数のスーツ姿の警察官も。演説中は来場者の最前列の前にパーティションを置き、ステージとは一定の距離があった。 陣営関係者は「警備が厳しくなって、街頭活動や企業回りが自由にできない」とやきもきする。 安倍氏の銃撃事件後初めてとなる今回の衆院選。選挙は候補者と不特定多数の人が接する機会が多く、身辺警護のリスクは高まる。県警は前首相や閣僚ら対象者の警護を強化。街頭演説時は周辺の建物の屋上から警戒し、警察犬を出動させて不審物の確認にも当たっている。 国土交通相の広島3区の公明党前職(72)は今回、県警からの要請で街頭活動は人通りの多い場所を控えている。「前回よりも警備が相当厳しくなった。演説場所を探すのも一苦労だ」と陣営幹部。行動が制約され、有権者と接する機会が少なくなっていると嘆く。 選挙戦終盤にかけ、政党幹部らの広島入りも予想される。県警警備課は「治安情勢や警護対象者の行き先などを踏まえ、万全を期す」としている。
中国新聞社