【ソフトバンク】選手会長の周東佑京「16年もひっくり返されている」9差独走も「隙」見せず戦う
ホークスに慢心は、ない。ソフトバンクは20日、リーグ戦再開となる21日ロッテ戦(北九州)に向け、みずほペイペイドームで全体練習を行った。現在、2位ロッテ、3位日本ハムに9ゲームを差をつけて首位独走中だが、選手会長の周東佑京内野手(28)は「余裕はない」とチームの思いを代弁。2016年に最大11・5ゲーム差をつけながら日本ハムに逆転優勝を許した過去があるだけに、油断なく首位ロードを突き進む。 ◇ ◇ ◇ 選手会長の周東が、チームの思いを代弁した。「全然余裕はないです。本当に勝てるだけ勝っておかないと」。今季は62試合を消化して41勝19敗2分けの貯金22。シーズン残り81試合で2位ロッテ、3位日本ハムに9ゲーム差をつけて首位を快走中だ。それでも「9ゲーム差あっても残り81試合ですよね。全然ひっくり返される可能性もあります」と油断はしない。 ソフトバンクは、過去に何度も悪夢を見た。16年は最大11・5ゲーム差を日本ハムに逆転され、リーグ3連覇はならず。22年は優勝マジック「1」としながらリーグ最終戦で敗れ、オリックスに逆転優勝を許した。「一昨年もそうですけど、あと1勝っていうところだった」。23年は最終的に勝率1毛差でロッテに2位をゆずった例がある。「そうならないためにも、今どれだけ下(位)のチームを離せるか。16年もひっくり返されている。それは年上の人たちも若い選手も分かっていると思う」。この日も全体練習後にミーティングを実施。リーグ戦が再開する21日からのロッテ戦に向け、空気を引き締めた。 小久保監督は「(周東)佑京が(塁に)出るとやっぱり点が入る」と話してきた。周東自身も「それは意識しています」と言う。現に、今季唯一の同一カード3連敗を喫した5月24日~26日のロッテ戦で、周東は11打数無安打だった。周東の働きが勝利に直結すると言っても過言ではない。自身の中で「いいバロメーター」という逆方向への打球を増やし、1番打者の役目を全うする。 22盗塁は12球団トップ。「失敗をどう減らしていけるか」を求めながら「点を取るためにも(企図数は)増えていく」と首位独走に向けて走りまくる。「小久保監督も『隙』という部分をよく言います。そこを相手に見せないように」。慢心なく、首位チームが再スタートを切る。【只松憲】 ◆16年のソフトバンク シーズン序盤から歴史的な快進撃。史上初の6月マジック点灯の可能性さえあったが、後半戦に失速。大谷翔平(現ドジャース)率いる日本ハムに最大11・5ゲーム差を逆転され、優勝を逃した。最終的に83勝54敗6分けの2位で終えた。 ◆22年のソフトバンク オリックス、西武と激しい優勝争いを展開。9月15日に優勝マジック「11」を点灯させたが、マジック「1」で迎えた10月2日のリーグ最終戦で敗北。同じ日に勝ったオリックスが2連覇を成し遂げた。76勝65敗2分けの2位で終えた。 ◆23年のソフトバンク 開幕5連勝などで首位を争っていたが、7月7日~24日まで54年ぶりの12連敗。8月2日に、05年にソフトバンクとなってからは史上最速で自力優勝が消滅した。最終成績は71勝69敗3分け。勝率1毛差でロッテを下回り、3位に終わった。