「予想以上にスピンがかかっている」 快進撃続けるカブス・今永昇太の投球を高橋尚成氏が分析
◆米大リーグ メッツ0―1カブス(1日・米ニューヨーク州フラッシング=シティフィールド) 今の今永を見て、思い出すのが上原、そして藤川。共通点はストレート系の球のスピン量が多い、つまりキレがあることだ。球速ではない。日本よりもフライを打ちに来る選手が多い。そんな中でスピンの利いた高めのストレートを投げれば、空振りかフライで打ち取れる。 メッツの4番・アロンソの打席を見ても分かる。第1打席、ストライクゾーンの内角へ90マイル(145キロ)の速球、内角高め91マイル(146キロ)を投げ、打ちに来られたが、ともにファウル。完全に振り遅れていた。相手はデータを蓄積しているだろうが、予想以上にスピンがかかっている。 コントロール重視というより、大胆に投げている印象もある。ストライクゾーンを9分割ではなく、4分割に見ている感じ。きっちり投げ分けるのではなく、速球はその握りの形状をキープしてスピンを利かせることを意識。そして変化球は抜けないよう、徹底的に低めに投げている。 ピッチクロックもプラスに働いてるように見える。迷いなどの邪念を抱く暇を持たず、とにかく捕手の要求通りに、甘めでも良し、ぐらいでどんどん投げる。今永ほどの経験と知識があれば、中4日、中5日も関係ない。快進撃は続きそうだ。(野球評論家・高橋 尚成)
報知新聞社