「3つしかない」ノーベル賞科学者・山中伸弥が明らかにする、意外過ぎる「成功者」になるための裏ワザ
想像を絶する速度で進化を続けるAI。その存在は既存の価値観を破壊し、あらゆる分野に革命をもたらしている。人知を超えるその能力を前に、人類はどう立ち向かうべきなのか。 「3つしかない」ノーベル賞科学者・山中伸弥が明らかにする、意外過ぎる「成功者」になるための裏ワザ それぞれの分野の最先端を歩む“ノーベル賞科学者”山中伸弥と“史上最強棋士”羽生善治が人間とAIの本質を探る『人間の未来AIの未来』(山中伸弥・羽生善治著)より抜粋して、新時代の道標となる知見をお届けする。 『人間の未来AIの未来』連載第22回 『【山中伸弥×羽生善治】「運命の出会がなくなる…」天才二人が予言する、「AI結婚」が蔓延るヤバすぎる未来』より続く
新しいことを思いつくのは不可能
羽生 棋士をずっと続けてきて経験的に知ったことがいくつかあります。前例のない手が指され、それをきっかけに形勢が大きく有利に傾いたとき、その手を「新手」と言います。でも自分が「いい新手を思いついた!」ということがあっても、だいたい他の誰かがすでに思いついている、そう思ってほぼ間違いないんです。 山中先生の場合は、非常に斬新な発想とアイデアで研究を進めてこられました。他人と違う発想をするためには、どういうことが大切だと思われますか。 山中 これは芸術家もそうかもしれませんが、研究者は特に他の人と同じことをやっていてはいけない、面白くない、ということは誰からも言われるんです。でも、いざ他人と違うことをしようとすると、至難の業なんです。僕もまさに羽生さんが今言われたのと同じように、「これはすごいアイデアを思いついた!」と思っても、だいたい他の人がすでに考えていますね。 とくに今、インターネットで誰もが情報を共有する時代です。インターネットが広まる前だと情報が共有されずに、その人しか知らないという特権をもとに、その人だけが考えつくアイデアもあったんですが、今はそれがもう、ほぼなくなっています。論文を発表したら、雑誌が発売される前にオンラインでリアルタイムに世界中に共有されますから。そうなってくると、人と違うことをするのは、もうほとんど不可能な状態になってきました。