21美「スイミング・プール」 作者レアンドロ・エルリッヒ氏「金沢に育ててもらった」
●感謝、喜び語る 金沢21世紀美術館を代表する作品「スイミング・プール」を手掛けたレアンドロ・エルリッヒ氏(アルゼンチン出身)が16、17日、同館を訪れ、「金沢でたくさんの人に作品を育ててもらった」と感謝を語った。「21美といえばプール」と言われるほどの人気スポットとなっていることに関しては「驚いた。愛されていてうれしいし、素晴らしい」と喜び、「ここは特別な地だ」と金沢への深い思い入れを口にした。 16日、同館で報道陣のインタビューに答えた。大勢の来場者でにぎわうプールを見たエルリッヒ氏は「プールと美術館が融合しながら世界観が出来上がっている」と感想を語った。 元日の地震で施設が一時閉鎖されたものの、6月に再び公開されたことに関し、「困難から立ち上がってきた日本の象徴に重なる。作品は復興のシンボルだと感じた」と述べた。 スイミング・プールは21美の建設に合わせて作られた作品で、2004年の開館から現在まで20年間、展示されている。エルリッヒ氏は当時無名だった自分の作品が初めて常設展示されたことを振り返り、「関係者が信念を持って尽力してくれたおかげだ」と話した。 同日、エルリッヒ氏は長谷川祐子館長とのトークショーに臨んだ。エルリッヒ氏は完成したプールを初めて見た時を思い返し、「不可能と思ったことが実現に至り、感慨深かった」と懐かしんだ。 今後の創作活動について質問を受けると、森を題材にした最新作を岡山で公開したと紹介。「自然は遠く離れた存在ではなく、自分自身が自然の一部。身近な建築物や空間から自然につながるコンセプトの作品になると思う」と話した。