ホープ中野幹士「スピードに注目してほしい」9戦全勝8KOの倒し屋がアジア王者と初の10回戦
◆プロボクシング▽スーパーフェザー級(58・0キロ契約)10回戦 中野幹士―サタポーン・サアット(18日、後楽園ホール) アマ7冠の日本フェザー級7位・中野幹士(帝拳)が初の10回戦で王座取りをアピールする。節目のプロ10戦目のリングに立つ中野は、WBCアジアスーパーフェザー級王者サタポーン・サアット(タイ)と対戦。デビューから9戦全勝8KOと無敗を誇るハードパンチャーは「パンチ力だけでなく、スピードにも注目して欲しい」と、パワーと速さでサタポーン攻略を狙う。 デビューから決定力のある左ストレートでKOを量産。圧巻だったのは前回1月の試合。対戦相手のワミナル(フィリピン)のボディーに左ストレート打ち込みわずか53秒でのワンパンチKO劇。これまでは足を使い相手の動きに合わせてカウンターを狙うスタイルだった。だが、周囲から「体もパンチも強いのだからこれではもったいない。もっと自分から前に出て仕掛けては」とアドバイスを受けた。強打をより有効活用するためにも強い体で前に出て先手、先手で仕掛けるスタイルを模索中だ。 対戦するサタポーンはWBCの地域タイトルを持ち現在13連勝中(13勝8KO1敗)。前に出てくるタイプでプレッシャーは強い。「最初の1、2ラウンドで前に出づらい状況を作っていきたい。自分はいかに下がらないか。最初に体がぶつかった時にそう感じさせたい。10ラウンドあるので最初から下がってはつらい展開になる」と、初体験となる10回戦をにらむ。 高校1年の15歳の時だ。当時選手を募集してなかった帝拳ジムへ断られても、断られても2か月間毎日足を運び入門を訴え続けた熱血漢。その熱意が伝わり入門するとプロに交じりながら練習して高校三冠を達成した。東農大を経てプロ6年目になる今年は「何らかのタイトルは取りたい」と言葉に力を込める。同じくトップアマからプロ入りした選手がずらりと並ぶフェザー級で、アジア王者を下し存在感を証明する。
報知新聞社