一戸（山形中央高出）男子１万メートル制し２冠 全日本距離別Ｓスケート・森野３位
スピードスケートの全日本距離別選手権は最終日の27日、長野市のエムウェーブで各種目が行われ、男子1万メートルで一戸誠太郎（ＡＮＡ・山形中央高出）が13分24秒24で、25日の5000メートルと合わせ2冠に輝いた。森野太陽（青森県競技力対策本部・同）は13分33秒51で3位に入った。 女子マススタートは高橋侑花（大東大・同）が2位、小坂凛（ＫＨネオケム・同）が3位になった。堀川桃香（富士急）が優勝した。小坂は同1000メートルは1分17秒05で4位に入った。同種目は高木美帆（ＴＯＫＩＯインカラミ）が制し、今大会3冠とした。同5000メートルではウイリアムソン・レミ（小鍛冶組・山形中央高出）が7分28秒89で3位に入った。優勝した堀川は今大会2冠。 男子1000メートルは椿尚大（滋賀県スポーツ協会・同）が1分10秒83で8位となった。新濱立也（高崎健康福祉大職）が大会新記録の1分8秒33で優勝。森重航（オカモトグループ・山形中央高出）は欠場した。
一戸、ぶれない滑りで実力示す ベテランの域に入る28歳の一戸誠太郎（ＡＮＡ・山形中央高出）は、男子1万メートルでも頂点に立った。自分の滑りに集中してライバルたちに先行し、今大会2冠として国内トップの実力を示した。 2組目で登場した一戸は、31～32秒台のラップタイムを刻み、昨年の同種目覇者で同走の土屋良輔（メモリード）を徐々に引き離した。歯を食いしばりながら最後までぶれない滑りでトップタイムをマーク。「ペースを守り切ることをテーマにした。達成できてうれしい」。笑顔で振り返る姿からは貫禄もにじんだ。 高校の後輩・森野太陽（青森県競技力対策本部）は自己記録を更新するタイムで3位となり、「偉大な先輩」（森野）と共に表彰台に上った。最終組でレースに登場し、既に終えた一戸の記録は「考えないようにした」という。一戸を上回るペースで中盤まで飛ばした伊藤貴裕（白銅）に食らいつき、7000メートルを過ぎて逆転。フィニッシュ後はガッツポーズを見せた。
森野は昨年、一戸がつくった「チーム・ワン」の練習に1カ月ほど参加した。「質問に快く答えてくれた。気にかけてくれている」と喜ぶ。今回はその先輩まで9秒27の差だった。尊敬しつつ「近づきつつある」と目標に据えた。
