第10回ふくしま産業賞 晴れの受賞企業・団体 銀賞 コアシステムジャパンいわき支店(福島県いわき市) 老朽インフラを監視
創価大発ベンチャー企業。独自に開発した光ファイバーセンサーによるモニタリングシステムを製品化した。インフラの現況、水害や土砂災害のリスク情報をデータ化できる。老朽化したインフラの管理、防災につなげる。今後、福島県いわき市などの企業に光ファイバーセンサーの製造を委託し、防災や産業振興の分野で被災地復興を後押しする。 光ファイバーはガラスでできた線で直径は8分の1ミリほど。この線を通る光のごくわずかな強弱の変化で外部の状態を捉えることが可能で、センサーとして活用できる。下水道管路内に設置すれば、水位の変化を察知する。河川の水中に設置した場合、増水すると水圧が高まって反応する。山林に設置すれば、斜面の動きを検知し、土砂崩れの危険性を把握できる。 従来の電気式センサーと比べると、ガラス製で雷に強く、消費電力やコストを抑えられるという。取り付けが簡単というメリットもある。下水道管理業務の現場では既に千葉県柏市で活用されている。いわき市の河川などでも効果が確認されており、同市内の下水道管理でも導入を計画中だ。
渡辺一弘会長(71)は「老朽化が進むインフラの災害リスクや河川の水位上昇を迅速に把握できる。量産化に向け、浜通りの企業に製造を委託して産業集積にもつなげたい」と語った。 ■メモ ▽設立=2008(平成20)年 (本社・東京都八王子市) ▽会長=渡辺一弘 ▽従業員数=8人 ▽住所=福島県いわき市平字田町120、ラトブ6階 ▽電話番号=042(696)3411