豪中銀、年内利下げ観測消滅-CPIが中銀目標レンジを大きく上振れ
(ブルームバーグ): オーストラリアの今年1-3月(第1四半期)の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同期比3.6%と予想(3.5%)を上回った。豪統計局が24日発表した。
1-3月のCPIは、根強い物価圧力を反映し、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利のオフィシャル・キャッシュレート誘導目標を12年ぶり高水準である4.35%で当面維持する正当性を裏付ける数字となった。
注目度の高いCPIトリム平均上昇率も前年同期比4%と予想(3.8%)から上振れし、中銀の2-3%の目標レンジから大きく逸脱した。
スワップトレーダーが織り込む12月の利下げ確率はCPI発表前は約66%だったが、発表後はほぼゼロになった。豪ドルの対米ドル相場は一時0.7%高の1豪ドル=0.6530米ドルに値上がりした。
政策金利に敏感な豪州の3年債利回りは一時18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、 4.03%を付けた。
ドイツ銀行のマクロリサーチ責任者ティム・ベーカー氏は、四半期インフレ率の数字が前年同期比3%でなく4%となったCPI統計について、「米国を悩ませるラストマイルのインフレという問題の色合いが見て取れる」と指摘した。
原題:Australia’s Hot Inflation Suggests Higher-for-Longer Rates (3)(抜粋)
--取材協力:Matthew Burgess.
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Swati Pandey