【巨人】矢野コーチが「無敵の打者になってほしい」と願う主砲が13戦ぶり確信弾
◆JERA セ・リーグ DeNA1―2巨人(27日・横浜) 巨人が主砲の13試合ぶりの一発でDeNAを下した。2回に岡本和真内野手(27)が、左翼席へ先制の4号ソロ。12日の広島戦(東京D)以来となるアーチを手始めに、この回2点を奪うと、開幕2軍スタートで今季初先発の横川凱投手(23)が5回3安打無失点と好投し、今季初勝利を挙げた。球団ワーストの13試合連続3得点以下と打線はまだ復調途上だが、救援陣も意地を見せて接戦をものにした。 【動画】阿部監督が岡本和真と並んでバッティング 左翼中段へ飛び込む放物線を見つめた岡本和が、ゆっくりと打席から歩き出した。主砲の一発を待ちに待っていたスタンドからわき上がる大歓声。表情を崩さずにダイヤモンドを一周し「打てて、素直にうれしいです」。12日の広島戦(東京D)以来となる13試合ぶりのアーチは、遠ざかっていた感覚を呼び起こしてくれた。 自分の役目は分かっている。0―0の2回無死。初球の150キロ直球を豪快にかちあげた。直近5試合は15打数2安打で打率1割3分3厘と本塁打だけでなく、安打からも遠ざかっていたが「状態は悪いですけど試合に出る以上、なんとかしないといけないので」。本調子でなくとも今季3度目のV打。本塁打を放った試合は4連勝。阿部監督は「やっぱり点が入ってないし、4番だし。自分が何とかしないとって、強く思いすぎてね。それだけ責任感を感じてやってくれているんでね、うれしいですよ」と信頼を示した。 感覚を微調整した。開幕直後は打撃3部門でトップに立つ絶好のスタートも、4月中旬以降は狙い球を打ち損じてフライアウトを重ねた。25日の中日戦(東京D)の試合前練習ではフリー打撃後にブルペンへ。二岡ヘッド兼打撃チーフコーチのトスを受けながら約15分間振り込み、球を手元に呼び込む感覚を呼び覚ました。若手時代から指導してきた二岡ヘッドは「(状態が)悪くなればなるほどボールを追いかけちゃうので、あんまりポイントを前にしすぎないように」と説明した。 24年型の新打法を追い求めている。春季キャンプ中から頭上の高さを打ち返す変則的なトス打撃を導入。柔軟な肘の操作性を向上させ、力感なく飛距離を出すスイングを染みこませる意図だ。練習法を提案した矢野打撃コーチは「僕が見ててもまだまだ伸びしろがある。相手投手が打ち損じを待つしかない、無敵の打者になってほしい」と期待を込めた。 チームは主将の一打を6投手の継投で守り切り、2カード連続の勝ち越しをかけて28日のDeNA戦(横浜)に臨む。「また上げていけるように頑張りたい」と顔を上げた岡本和を先頭に、再加速する。(内田 拓希) 【記録室】横川の5勝中3勝は岡本が決勝弾! 岡本和(巨)が2回に先制の4号ソロ。先発の横川に今季初白星をプレゼントした。昨年は横川のプロ初勝利を含む4勝のうち、4月23日ヤクルト戦で先制ソロ、6月23日広島戦でも勝ち越しソロ。通算5勝のうち3勝は、岡本和の本塁打が決勝点になっている。 2回の先制ソロは初球をたたいた一発。今季初めて初球を本塁打した。3回と9回も初球を打って左飛、中飛だったが、1試合で初球を打ちにいった打席が3度以上は、4月13日の広島戦(空振り、二塁打、二塁打)以来、今シーズン2度目。積極打法が目立った。 これで今年は初球を打って16打数5安打の打率・313([本]1)。昨年は64―27で・422([本]8)の高打率を残すなど、通算でも446―166の・372([本]48)。初球から狙っていきたいところだ。(阿部 大和)
報知新聞社