白井英治、すごみ増した眼光 地元戦士としての責務背負う姿があった【下関ボート・SG「チャレンジカップ」前検日】
◇19日 SG「チャレンジカップ」前検日(山口県・下関ボート) 端正かつシャープな顔立ちは、当時と全く変わっていなかった。ただ、久々に間近から見た白井英治(48)=山口=の眼光は、あの頃より一層すごみと深みを増していた。 2001年6月。尼崎ボートの一般戦で初めて白井を取材した。当時は山口支部期待の24歳の若手。翌月に同場で行われるオーシャンCでのSG初出場が決まっていた。前検日、足の感触を笑顔で語っていた山口のホープ。しかし、目前に迫った大舞台に話題が及ぶと、にわかに口もとを固く引き締めながら、こう答えた。 「SGに呼んでもらえる選手になった以上、これからはどこで戦う時も恥ずかしいレースはできない。うれしいというよりも、その思いの方がずっと強い…」 SG戦士としての責任。凡機に苦しみながらも魂の走りで優勝戦の1枠を得た若武者は、そのまま痛快に先マイ圧勝。自らに課した「責任」を果たし、地元山口へと帰って行った。 「とにかく一走一走、一生懸命。それが結果につながればいいと思います」 地元SGへの思いを問われ、あの日と同様に口もとを固く引き締めた。まずは地元戦士としての責務を果たす。GPはその延長線上にあればいい。22年ぶりのボート担当。変わらぬ白井の姿が、そこにあった。 (松下雄一郎)
中日スポーツ