U2 敬愛するマンデラ氏のために楽曲を提供 映画『マンデラ 自由への長い道』
2013年12月5日に、その激動の生涯に幕を閉じた南アフリカ共和国第8代大統領ネルソン・マンデラ氏。その自伝を映画化した『マンデラ 自由への長い道』(5月24日公開)の主題歌を担当したのは生前、マンデラ氏と親交の深かったU2だ。U2はこの映画のために新曲『オーディナリー・ラヴ』を書きあげ、当時、製作中だったアルバムを休止している。 【動画】『マンデラ 自由への長い道』予告編 実は、5年前ほどから、この作品へ主題歌提供の話が始まっていたという。映画の撮影が始まり、編集作業を終え、そして映画がようやく完成しかけた時、U2はアルバム製作の真っ只中だった。しかし彼らは、敬愛するマンデラ氏を描いた映画ということで、メンバー全員がこの作品を鑑賞。改めて、マンデラ氏の歩んできた軌跡に感動し、「ぜひ主題歌を提供したい」と、申し出たことで、今回の主題歌提供が実現した。 ボーカルのボノは「当時、アルバムの製作中で、もう4年半もかかっているから、いい加減(アルバム製作を)終わらせないといけないし、スケジュール的に厳しいが、せっかく引き受けるなら、敬愛するマディバ(マンデラ氏の愛称)に捧げるに相応しい、納得の行く曲に仕上げたい」と、アルバムの製作作業を一旦休止して、『オーディナリー・ラヴ』を作り上げた。 「ネルソン・マンデラの伝記映画で、U2が歌を担当するとなると、誰もが政治的なメッセージ曲を想像する。実際、最初に思いついたのは、そういった類のものだった。でも、ぼくらがこの映画に強い繋がりを感じたのは、ラブストーリーの要素だった。実際、ぼくは監督とプロデューサーに、タイトルを「The Mandela’s」(マンデラ一家)に変更したらどうだと提案したほどだ(笑)。ただ、この映画を特別なものにしているのは、複雑なラブストーリーの存在が大きい。それで、複雑なラブソングを書くことになった。政治的な歌と同じように、複雑なラブソングなら多少の心得があるから(笑)」(ボノ)と振り返った。 『マンデラ 自由への長い道』は、マンデラ氏のアパルトヘイトとの戦いが描かれた作品である中で、マンデラ氏が妻・ウィニーとの出会い、愛し合い、そして投獄による別れを経て、政治思想のすれ違いによる別れ、までが描かれている。そういった印象が、政治的なメッセージではなく、ラブソングが生み出されることになった。