【阪急杯】デインヒル内包馬は過去10年で連対率42.9% ワールドウインズの巻き返しに期待
血統解説:カルロヴェローチェ、ワールドウインズ
・カルロヴェローチェ 日本での牝祖は古く12代母のフロリースカツプ。同馬は小岩井農場の基礎輸入繁殖牝馬の一頭だが、さすがに12代母からまとめて考えるのは無理があるのでもう少し近くで見てみる。 本馬の4代母コーニストウショウのあたりからファミリーに活力が出てきていて代表馬ではウオッカが出ている。また祖母シーイズトウショウの父がサクラバクシンオーだったこともあってスピード性能がかなり高まった印象。シーイズトウショウ自身もセントウルSやCBC賞を勝つなど重賞5勝の実績馬だ。 カルロヴェローチェの叔父にはオーロC勝ち馬で函館2歳S3着のトウショウピスト(父ヨハネスブルグ)や名古屋グランプリ勝ち馬のヴェルテックス(父ジャスタウェイ)がいる。サクラバクシンオーでスピードタイプのファミリーになったが元々はウオッカが出たような一族だけに、配合次第ではヴェルテックスのような中距離以上で活躍する馬も出せる。ただ本馬の場合、母父がロックオブジブラルタルでさらにスピード性能とパワーが強くなっていて、母も芝のスプリンターだった。 シルバーステートは母をよく引き出す種牡馬で本馬も母似。マイル以下に適性のあるマッチョなタイプの馬体をしている。阪神芝コースは新馬戦以来だが中山か阪神がベストな舞台だろう。気性に難しいところもあるだけに距離短縮は歓迎だ。 ・ワールドウインズ 日本での牝祖は3代母サクラフブキ。このファミリーは本馬の祖母サクラサクⅡを根幹として繁栄しており叔母には2013年オークス2着のエバーブロッサム(父ディープインパクト)、エルフィンS勝ち馬のレッドサクヤ(父ディープインパクト)などがいる。本馬の母エイジアンウインズ(父フジキセキ)がサクラサクⅡの産駒では最も活躍していて、ヴィクトリアマイルと阪神牝馬Sを勝利している。前述の叔母2頭はディープインパクト産駒だったのに対してエイジアンウインズはフジキセキ産駒だった分、距離適性は短めになったのだろう。 本馬は父がルーラーシップ。半姉でJRA4勝のメジェールスー(父ロードカナロア)に比べると、胴が長めで距離はマイル前後に適性が出た。阪神芝コースではこれまで4度走って4度とも馬券外だが人気より着順が悪かったレースは1度だけ。決して適性がないとは思えない。晩成傾向があるルーラーシップ産駒で、ファミリーも息が長い馬が多いだけに、7歳とは言え前走のパフォーマンスを見るとまだ侮れない。