「セ・リーグで一番難しい」マツダスタジアムの内野守備 広島が堅実に守れているワケ
広島が堅守を武器に粘り強く戦っている。13日時点でチーム失策数は12球団最少の10。内野が天然芝のマツダスタジアムで、苦戦しながらも結果を残す選手の対策などを探った。 今季のカープの大きな強みになっているのが、堅実な守備だ。三好内野守備走塁コーチは「接戦が多いけど、併殺が欲しい時に取れている。選手たちがよく頑張ってくれている」と目を細める。 同コーチから守備の話を聞いていると興味深い言葉があった。「マツダスタジアムの内野はセ・リーグで一番難しいですから」。その要因はセ・リーグの本拠地で唯一、内野でも使用されている天然芝にあるという。「他の球場より芝が長くて、土の部分との段差が大きい。打球のイメージとしては芝で緩くなって、硬い土で加速する感じですね」。人工芝とは大きな違いが生まれる。 しかし、今季マツダスタジアムでの6失策のうち、打球の捕球時は3失策と安定感抜群。基本的な対策などは「選手に任せています」とした上で、「芝の中で取ってしまえば影響はない。その逆で(芝と土の)境目から離れて捕球できたら多少影響もなくなる。その辺りの細かい守備位置とかは、指示を出す場合もある」と小さな積み重ねが功を奏している。 選手も「難しい」と口をそろえる。遊撃と三塁で16試合ずつスタメン出場している小園は「どうバウンドするか、グラブに入るまで分からない」と説明。出場が増加している三塁の守備では、遊撃よりも打球が速く余裕がある分「最悪、1度落としてもOK」という心構えであることを明かし「どう跳ねてもいいような準備は常にしています」と攻略法を口にした。 好守を連発し、遊撃のレギュラーをつかみかけている矢野は「気温や湿度によってもバウンドが変わってくる」と分析。試合中でも、土の硬さの変化などで打球が安定しないこともあるそうで「とにかく確認と準備です」と語った。 チームを支える堅実な内野守備の裏には、首脳陣と選手それぞれの努力があった。(デイリースポーツ・高橋涼太朗)