大阪桐蔭・境がランニング本塁打 100メートルは11秒06 センバツ
◇センバツ高校野球2回戦(27日・甲子園) ◇○大阪桐蔭4―2神村学園(鹿児島)● 【熱戦を写真で】大阪桐蔭-神村学園(2回戦) 大阪桐蔭の1番・境亮陽(りょうや)の好きな言葉は「英姿颯爽(さっそう)」だ。意味は「姿形が立派で堂々としており、見ていて気持ちのいい様子」。好きな理由は「自分の特徴は走ること。(姿が立派で)堂々という意味が合っているかなと思った」。ランニング本塁打はダイヤモンドを駆け抜けて、言葉を体現した。 1点リードの五回無死。神村学園の先発左腕・上川床勇希の甘く入ったスライダーを思い切り引っ張った。右翼フェンスを直撃したボールは、跳ね返りも大きく外野を転々とした。二塁ベースを回ったところで、主将で三塁コーチの宮本真司郎が、ぐるぐると手を回すのを見て本塁突入を決意。さらに一段と自慢の足を加速させた。 境は「(本塁に)行けるとは思っていなかったが、甲子園を思い切り走れてよかった」。西谷浩一監督も珍しい本塁打にベンチで破顔一笑でお出迎えした。 中学時代、週末はボーイズリーグのチームで野球をしながら、学校では陸上部に所属した。平日は陸上の練習を重ね、「(足を体の軸の前で動かす)前回転で走ることを意識して、姿勢よく走ることが一番大事と学んだ」。100メートルで11秒06をマーク、年代別の全国大会であるジュニアオリンピックにも出場した。 投手としても最速146キロを誇り、高校では野手との二刀流もこなしていたが、新チームでは強肩と俊足を買われて外野手に専念している。 西谷監督の春夏の甲子園大会の監督通算勝利数を歴代最多の69に伸ばした試合に貢献し、「自分たちの力でつかめてうれしい」。ランニング本塁打が目立ったが、この日は3安打1打点3得点。大阪桐蔭のリードオフマンは俊足で長打もあるチームにとって大きな存在だ。【藤田健志】