ノハナショウブ咲き始める 三重・明和町斎宮の群落
江戸時代から伊勢参りの人を楽しませてきたとされる国指定天然記念物の三重県多気郡明和町斎宮の「斎宮のハナショウブ群落」のノハナショウブが大輪の花を咲かせ始めた。見頃は8、9日ごろという。 群生するノハナショウブは、ハナショウブの原種。水辺ではなく平野に群生するものは珍しく、1936(昭和11)年に国の天然記念物になった。地域では「どんど」と呼ばれる取水口付近に咲いていたことから「どんど花」と呼ばれている。 古書によると古代にはこの辺り一面に群生し、時季になると紫色の雲がたなびくような眺めで、伊勢参宮の旅人たちにも愛されたと伝わる。 この日、友人3人でランチの帰りに立ち寄ったという松阪市と伊勢市の70代の女性は「日本古来の色である紫色の花が控えめに咲いた姿がとても上品で、目の栄養になりました」と話していた。 ノハナショウブが終わると9月にかけてこの辺りでは、ノカンゾウやナガボノワレモコウが咲く。