韓国で大学入試 過酷な受験戦争、バイクで送るボランティアも
韓国で14日、日本の大学入学共通テストに相当する大学修学能力試験が実施された。過酷な受験競争で知られる韓国では毎年、政府や市民らが受験生に対する支援体制を整えている。今回、試験会場の一つとなった首都ソウル市の高校では、ボランティアの男性にバイクで送り届けられる受験生の姿もあった。 【写真まとめ】受験生の息子を抱きしめる母親 受験生たちは早朝から続々と会場に集まった。家族や友人らが「ファイティン!(頑張って)」と激励し、校門前で息子を抱きしめる母親の姿も。長男を見送った母親(60)は「失敗なくやり遂げてほしい。祈るような気持ちです」と話した。 遅刻しそうな学生たちをバイクの後部座席に乗せ、試験会場まで送るボランティアも各地で活躍した。長年、この支援を続けるユン・ソッキョンさんは「学生たちに無事に試験に挑んでほしいとの思いで活動しています」と語った。 試験日の交通渋滞を防ぐため、一部の企業は始業時間を遅らせた。警察も1万人体制で交通整理などに当たり、不測の事態に備えた。英語のリスニング試験中は、緊急の場合を除いて航空機の発着は禁止となった。飛行中の航空機は3キロ以上の上空で待機しなければならず、受験優先が徹底されている。【ソウル福岡静哉】