国王は「自身の病」をどこまで共有すべき?ふせるべき? ノルウェー王室とイギリス王室を比較
他に重要な違いは、ノルウェーでは君主が公務を遂行できない場合や国外に出ている場合は、君主に代わる摂政役が任命される。今回の場合はハーラル国王の息子ホーコン王太子が摂政役を務めている。しかし、英国王室ではチャールズ国王が公務を遂行することができなくても、摂政役は任命されない。ウィリアム皇太子が国王の代理を果たすことはないのだ。そのため、チャールズ国王は国務や公式文書に関わる仕事は通常通り続けているとバッキンガム宮殿は発表。一方、ハーラル国王は息子が摂政を務めている間、治療に専念することができる。 とはいえ、両国王に共通することが一つだけある。それは、病気ではあるけれど、どちらもすぐに退位する予定はないということ。 デンマークのマルグレーテ女王が2023年12月31日に突然、退位を発表するという衝撃的なニュースがあった。それを受け、退位を考えるかと質問されたハーラル国王は、「私は議会に生涯この任務を続けると宣誓した。それを貫き通す」と返答した。チャールズ国王はコメントしていないが、チャールズ国王の伝記作家ロバート・ハードマンによると、生前退位は「イギリスの伝統にはない」とのこと。また、女王であることを"一生の仕事"と捉えていた母エリザベス女王に倣うのではと考えられている。
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