「忍者で青森盛り上げたい」 青森大学が初のサミット、清川繁人教授らが研究成果披露
青森大学は17日、青森市の県総合社会教育センターで公開講座「忍者サミット」を初めて開催した。忍者研究の第一人者・山田雄司三重大学教授(国際忍者学会会長)、清川繁人青森大教授らが講演した。企画した清川教授は「津軽の忍者集団-『早道之者』-」と題して講演。津軽藩で活躍した忍者は甲賀流とされることを文献をひもといて説明し、「忍者の子孫が今も青森市に住んでいる。これからも青森を忍者で盛り上げたい」と話した。 山田教授は「忍者の実像」と題して講演。「忍者は黒装束を着て手裏剣を投げるイメージが一般的だが、実際の役割は情報収集や諜報(ちょうほう)活動で、戦国時代は各地の大名に雇われていた」とし、「身体能力よりも知恵、記憶力、コミュニケーション能力が重視されていた。歴史学的な側面だけでなく薬学や医学、工学などさまざま研究が行われている」と解説した。忍術は生存術で当時の最先端のスキルを身に付けていたのが忍者だ-と説いた。 また、忍道青龍窟道場主宰の習志野青龍窟氏(陰忍五段師範)が実技を披露し、忍者が携帯する道具を紹介したり、呼吸法や敵から察知されにくい動きなどを参加者に指南した。 講演には大学生や市民ら計約100人が参加し、青森県と忍者の関わりに思いをはせた。