中小企業と大企業、年収差が大きく開き始めるのは何歳から?
同じ業種であっても、勤める会社の規模によって収入額は異なります。できることならより多くの年収を得たい、とは誰もが思うことでしょう。一般的に、規模の大きい会社の方がそうでない会社よりも年収が高いといわれていますが、それはどの時点からそうなるのでしょうか。 今回は、大企業と中小企業の年収差が広がり始める時期について詳しく解説します。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
20代ではそれほどの差はない!
厚生労働省が発表した令和4年の賃金構造基本統計調査の概況によると、大企業における20代の平均賃金は、20代前半で22万7200円、20代後半で26万6500円です。中規模の企業の場合、20代前半では21万6700円、20代後半では24万5700円となっています。 小規模の企業における20代前半の平均賃金は20万9700円、20代後半の平均賃金は23万8000円です。大企業と中企業の差額は20代前半後半ともに1~2万円、大企業と小企業の差額は2~3万円となっています。大企業を100とした場合、中企業の平均賃金は20代前半で大企業の約95%、20代後半で92%です。 このように、20代の時点から大企業は中小企業よりも平均賃金が高いですが、それほど大きな差、というわけではありません。人によってはその程度の差であれば仕事内容や職場の環境などを重視したい、という人もいるでしょう。
差が広がり始めるのは30代から!
同調査によると、大企業を100とした場合の中企業との間の賃金格差は30代前半で88.6%になります。その後、40代、50代と両者の賃金格差は80%台で推移します。最も格差が広がるのは50代前半で、大企業の平均賃金が42万2500円であるのに対し、中企業は35万4100円、格差は83.8%です。 大企業と小企業の間の格差はさらに大きいです。賃金格差は30代で中企業と同じく80%台になり、50代では70%台にまで広がります。
60代以降は格差が是正される!
30代から50代までは格差の広がる大企業と中小企業ですが、60代以降はそうではありません。同調査によれば、大企業と中企業の賃金格差は60代以降再び90%台に戻るため、それほど大きな差はありません。