教問研が自己有用感高める指導の中間答申 館山教委(千葉県)
館山市教育委員会から諮問を受け、「児童生徒の自己有用感を高める指導の在り方」の研究に取り組む「館山市教育問題研究委員会」(委員長・網代智恵船形小校長、委員15人)は13日、今年度の研究結果を発表し、市教委に中間答申した。 市内の小、中学校の教職員で組織する委員会。昨年5月に市教委からの諮問を受け、来年度までの2カ年で研究に取り組んでいる。 「役に立った」「認められた」などといった、自分と集団や社会との関係を、自他ともに受け入れられることで生まれる「自己有用感」を高める指導を探る研究で、全国的にいじめの認知件数や不登校などが増加傾向である背景を踏まえた研究テーマとなっている。 この日は、市役所で網代委員長が石井浩己教育長に中間答申書を手渡した。その後、研究結果の発表が行われ、オンラインで市内の教員らも参加した。 同委員は、自己有用感を構成する要素を▽存在感▽貢献▽承認――とし、これらが相互に関連し合うことで自己有用感が高まると考えた上で、市内の児童生徒にアンケートを実施。 現状把握と分析をすることで見えてきた傾向から、自己有用感を高める手立てを発表した。手立てでは、授業や学校行事、係活動などの中での「一人一人の活躍の場」と「認められる場」を設定しており、これを基に各委員が起点となって実践し、効果を検証していくという。 網代委員長は「私たちが考える、自己有用感を高めるのに有効であろうとする手立てを講じたことにより、児童生徒にとって居心地の良い居場所がつくれることを願い、今後も研究を続け、来年度の最終答申に向けて取り組んでいきたい」と話している。