<下剋上で頂へ―’24センバツ・中央学院>第2部・合宿で得たもの/上 「いつも通り」を意識 違う環境が成長に /千葉
「やることはいつもと変わらないから」。 2月中旬の沖縄・石垣島。グラウンドでの午前練習で、捕手の飯山成夢(2年)は内野の送球練習を始める直前、ナインに呼びかけた。飯山の言葉には、前日の反省が込められていた。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 前日午前は到着後、初の練習だったが、雨天。ボールがぬれて送球が乱れたり、島風にあおられてフライを落としたりするなど、試合で許されないミスが相次いだ。野手の声も小さく、消極的な判断が目立った。 「普段通りではない」――。緊張感がなかったわけではない。合宿では福嶋翔平部長が「支援してくれる人のおかげで来られている。遊びではない」と伝え、緊迫した雰囲気も漂っていた。 しかし、ミスの原因は他の理由が大きかった。福嶋部長は部員らに「悪いのは技術ではなくて、準備ができていないからだ」と伝えた。 飯山は「いつもと違う場所なので、練習に身が入らず、集中が切れている部分もあった。環境が変わったことで、自分たちも変わった部分があったのを自覚していなかった」と捉えていた。部員は反省し、気持ちを切り替えた。 合宿5日目、久しぶりに球場に立った。外野手の水嶋悠(同)は「芝がぬれていて、ボールが投げにくかったが、低い送球でいつも通りを意識したら、うまくできた」と手応えを感じていた。午後の紅白戦ではいい緊張感が生まれ、好プレーも出た。 「内外野の連係は年間を通してずっとやってきたが、送球が以前より丁寧になった」。合宿を通じて福嶋部長は部員らの成長を実感した。【林帆南】 ⚾ ⚾ センバツに出場する中央学院は、8~13日に千葉から約2000キロ離れた沖縄県石垣市で大会を見据えた合宿を行った。1カ月後に迫った大舞台を前に、選手らは何をつかんだのかを追った。