JAグループ福岡 水田農業の現地視察
■兼業農家が8割に 原料の多くを輸入に頼る肥料や資材の高騰に加え、10年ほどで更新が必要な機械の負担も相まって、重くのしかかる生産コスト。 コメ農家だけでは生活が成り立たないため兼業農家が増えていて、JAふくおか嘉穂によりますと生産者、およそ2000人のうち今や8割あまりに上るといいます。 そうした状況を少しでも改善しようと、JAグループ福岡ではコメを集荷する際に生産者に前払いする概算金を今年は60キロ当たりおよそ3500円上乗せし、昨年比で28%程アップしました。 ただ、コメの小売り価格に対してJAグループ福岡は… JAふくおか嘉穂 畠中和好 専務理事 「今回のお米の値上がりにつきましては、肥料、農薬等、生産資材の値上がりに対する価格の転嫁が原因ではございません。コメ不足による一時的な値上がりであるということ」 生産コストの高騰を価格転嫁出来ていない現状と需要のバランスの難しさを改めて訴えました。 コメの値上がりが全国的な問題となっていますが 実は、コメの価格は30年前の水準よりも低い状況なのです。 ■コメの適正価格は JAグループ福岡では、コメを貯蔵をするカントリーエレベーターの老朽化による改修費用や、低温農業倉庫の新設にも莫大な費用が必要だとして、施設が維持できる事業の在り方を模索しているとしています。 嘉穂才田農塾第一利用組合 斉藤保生 組合長 「今、ちょうど値上がりしてるけど、まだそうでもない。もうちょっと農家を助けちゃらんと、今のままじゃ生きていかれんですよ」 コメの値上がりは家計にとって大きな痛手ですが、JAは「消費者に農家の現状を知って欲しい」と訴えます。 需要と供給のバランスを見極めながらも、生産者が「コメ農家だけで食べていける」ための価格転嫁が喫緊の課題となっています。
RKB毎日放送