関東大会進出と同じくらい嬉しい教え子の活躍...巨人・高橋礼の「人生ベストボール」を振り返る(持丸修一)
【持丸修一 76歳名将の高校野球論】#37 おかげさまで専大松戸は春季千葉大会を制し、18日開幕の関東大会に進むことができました。初戦は東海大相模さんとの対戦です。引き続き応援のほど、よろしくお願いいたします。 【写真】センバツでスカウトの評価を上げた U18代表合宿参加勢「投打4人」の名前 関東大会進出と同じくらい、うれしいニュースがありました。巨人でプレーする教え子・高橋礼(28)の活躍です。 専大松戸、専大を経て2017年ドラフト2位でソフトバンクに入団。プロ2年目は23試合に先発して12勝(6敗)を挙げ、新人王を獲得。翌20年は中継ぎとして52試合で4勝2敗、23ホールド、防御率2.65。しかし、以降はケガも重なり……。昨オフ、トレードで巨人に入団しました。 環境が変わったことで心配していましたが、杞憂でした。開幕ローテをもぎ取ると、ここまで先発として7試合で2勝1敗、防御率1.37。勝ち星には恵まれませんが、目を見張るような姿を見せてくれています。 高橋は特に手を焼いた選手でした。野球が大好きだったのは確かでしたが、高みを目指すために自己研鑽(けんさん)を重ねる──というタイプではなく、自分の好きなスタイルを追い求める感じで、マイペースかつ気が強かった。そんな性格を象徴する話があります。 高橋が3年の夏、千葉大会の準決勝で木更津総合さんと対戦した時のこと。結論から言うと、高橋は延長十三回まで投げ、最後は1死満塁から押し出し四球のサヨナラ負けで高校野球を終えました。並の選手なら数カ月経っても気持ちの整理がつかないかもしれません。 ところが、高橋はその翌日に仲間たちと車を借りて海へ繰り出していたというじゃありませんか。しかも、時が経って「人生のベストボールは何か」と尋ねたら、「あの押し出しの時のスライダーです!」と元気よく返ってきた。当時の捕手によれば、ボール2個分は外れていたらしいのですが……。本人は「バットを振らなかった打者の方が悪い」なんて思っているのかもしれません(笑)。 そんな高橋にむちゃなお願いをしたい。あわよくば土日以外の日に登板してほしい。リアルタイムで応援したいのに、専大松戸の練習や試合などがあり、なかなかかないません。ここまでじらされているので、いっそのこと無理にでも時間をつくって東京ドームに駆け付けようと思っている今日このごろです。 (持丸修一/専修大松戸 野球部監督) ◇ ◇ ◇ 日刊ゲンダイでは専大松戸の持丸修一監督と元横浜高校野球部部長の小倉清一郎氏のコラムを毎週交互に連載している。 【関連記事】にはそれらをピックアップ。ちなみに、掲載から約1カ月で有料会員限定公開に移行するため、今のうちに要チェックだ。