負債約360億円で地域に愛されるデパートが苦境に…事業再生目指す鹿児島の老舗百貨店・山形屋はなぜ追い込まれたのか【前編】
増えつつある“百貨店空白地域”
全国の地方百貨店では、再建を諦め、閉店したところもある。唯一の百貨店が閉店した島根・松江市を訪ねた。 JR松江駅前にある「一畑百貨店」は島根県唯一の百貨店だったが、2024年1月、業績悪化を理由に姿を消し、閉店以降も建物は取り残されたままになっていた。地元市民にとって一畑百貨店は大きな存在だったという。 松江市では、一畑百貨店との取引事業者や100人を超える雇用にいても対策を講じた。 全国では2020年以降、百貨店が一つもない県、“百貨店空白地域”が増えつつある。 島根は、山形、徳島に続き3つ目の百貨店空白地域となった。
山形屋“事業再建”への道
各地の百貨店が業績悪化で閉店に陥る中、山形屋は5月28日に開かれた債権者会議で、取引先の金融機関17行すべてから事業再生計画案について同意を得たということで、計画に沿って経営再建が図られることが決まった。 計画では、メインバンクの鹿児島銀行を含む3人の役員出向を受け入れること、8月にはグループ会社の統廃合を実施し運営の効率化を図ることなどが挙げられている。 苦しい状況に置かれる百貨店業界。 後編では、地域から百貨店が消えた島根県のケースを通して、山形屋が“生き残るために必要なこと”を考える。 (鹿児島テレビ)
鹿児島テレビ