柳井綾音10kmの学生記録を17年ぶり更新 競歩練習は前日のみで“快歩” 今季の目標はパリ五輪/元旦競歩
◇第72回元旦競歩(1月1日/東京・神宮外苑絵画館20km競歩路コース) 女子大学・一般10kmは岡田久美子(富士通)が42分46秒の日本新記録で優勝。2位には柳井綾音(立命大)が42分58秒の学生新記録で打ち立てて入った。 岡田久美子10kmで14年ぶり日本新 不調で昨秋は一時引退を考えるも、さらなる進化に手応えつかむ/元旦競歩 これまでの学生記録が2007年に渕瀬真寿美(龍谷大/現・建装工業)がマークした44分24秒。柳井は1分26秒も更新した。 「まさかこんなタイムが出るとは思わなかったです」と言葉を弾ませた柳井。それもそのはず、9月の日本インカレの後は、10月の全日本大学女子駅伝や、12月30日の全日本大学女子選抜駅伝(富士山女子駅伝)出場に向けて、長距離走の練習をしていたという。元旦競歩に向けた調整は前日の大晦日のみ。 それでも、序盤からトップに立った柳井。同時スタートした高校男子の選手と肩を並べて歩くシーンも。「前に出ないとそのまま、どんどんペースが落ちてしまうのが自分の弱さ。自分のレースをしようと思って積極的に前に出ました」。 競歩練習をほとんどしていなかったが、前向きにレースに臨んだ。それでも「(駅伝練習で)10000mのジョグを1000m3分45秒ペースで走っていたのと比べれば、競歩の1km4分15秒は遅いですから」。残り2周で岡田に追いつかれて、逆転されたが、自分の持ち味は出せた。 駅伝練習期間中には故障を防ぐことを目的にウエイトトレーニングに取り組んだという。「競歩の動きにもつながると思い、自分の体重よりも少し重いぐらいの負荷でやってきました」 結果的に駅伝には2大会とも出られなかったが、専門種目で17年ぶりの学生新記録。「渕瀬さんはすごい、尊敬する選手。その記録を破ったのは自信につながりますし、もっと上を目指したいと思います」と話した。 昨年はシニアでは初の世界選手権(20km)に出場して30位。「出るだけで満足してしまった。そこが戦えなかった理由。もっと戦えるようにスピードを磨いていきたいです」 2月18日の日本選手権20kmではパリ五輪代表を目指す。「参加標準記録(1時間29分20秒)を狙うだけでは、その記録を突破できないと思うので、派遣設定記録(1時間28分30秒を目指すぐらいにがんばりたい」。福岡・北九州市立高の先輩・藤井菜々子(エディオン)とも争うことになるが、「打倒・菜々子先輩でがんばります」と柳井。昨年のクリスマスイブに20歳を迎えたウォーカーは初のオリンピアンへターゲットを定めた。
月陸編集部