京王電鉄が大規模なダイヤ改正 準特急笹塚停車で都心へのアクセス向上
京王電鉄の大規模なダイヤ改正が、9月25日に行われる。同社は、これまで「改定」と呼んでいたが、今回は「改正」に。単に言葉の使い方を変えただけではない意気込みを感じる。同じ日に、京王線と相互直通運転を行っている都営新宿線もダイヤ改正をするが、どう変わるのだろうか?
意気込み感じる「改正」という言葉
近年、ダイヤ改正をしても鉄道ファンには評判の悪いケースが多く、今回は自信があるのか、と思って京王電鉄に問い合わせたところ、「(一般には)『改正』という言葉が定着しており、多くの人がそう呼んでいるからです。そういう理由で、『改正』としました」という。 だが、今回のダイヤ改正は「改正」という言葉に意気込みが感じられるようなものだ。準特急がこれまでの停車駅に加え千歳烏山と笹塚に停車することになり、区間急行は仙川にも停車する。 これまでは、調布~新宿間では特急も準特急も明大前にしか停車せず、笹塚での都営新宿線への乗りかえには不便だった。また、この区間では橋本方面からの特急と京王八王子・高尾山口方面からの特急・準特急が2本連続して走ることになっていた。 だが、今回のダイヤ改正では特急と準特急を差別化し、この区間の住民の利便性をはかり、あわせて都心へのアクセスを向上する。これまでの高尾山口発だけではなく、京王八王子からの準特急を復活、橋本からの準特急を新設する。全体的に特急を減らし、準特急を増やす予定だ。 「笹塚での乗りかえの利便性を高めるというのも、準特急を笹塚に停車させた理由です」と京王電鉄はいう。これまでは、笹塚から都営新宿線にアクセスしようとする場合、特急に乗っていると明大前と笹塚の2つの駅で乗りかえが必要だった。それが、笹塚だけになるのだ。 笹塚から都営新宿線に乗り入れる列車を昼間時間帯は一時間あたり3本から6本へと倍にする。「新宿駅発着の快速を都営新宿線経由に回すことで、都営方面へのアクセスを向上させます」と京王電鉄はいう。 準特急を笹塚に停車させ、その他にも都営線直通列車を増やす。これまで少しばかり都営線へのアクセスが不便だった状況が、かなり改善される。 京王電鉄はこう語る。「お客様からの(笹塚での連絡状況改善の)要望が多かったからです」。その理由として「実際には京王線・都営線の相互を行き来するお客様が多いからです」と答える。 今回のダイヤ改正では、現在では快速と普通しか停まらない仙川にも区間急行が停まることになった。仙川は京王線沿線でもおしゃれな街として人気があり、「現在でもお客様が多く、近年マンションが建設され、今後も利用客が増える」と考えているため、区間急行を停車させた。 京王線は新宿駅を終点とすることで、都心へのアクセスは便利だった。さらにこのダイヤ改正により、都営新宿線経由での都心へのアクセスもいままでより向上する。一見地味な印象のある京王線だが、利便性の高い路線として人気を集めるだろう。 (ライター・小林拓矢)