市立2病院で今年度24億円赤字、穴埋めすれば10年で市の貯金が枯渇…「市民サービスにも深刻な影響」
滋賀県長浜市は16日、市立長浜病院と市立湖北病院の今年度決算が約24億円の赤字になる見込みだと発表した。記者会見した浅見宣義市長は「早急に病院の抜本的な経営改善策が必要」と述べ、年度内にも改善策に関するスケジュールや方針を固める意向を示した。
市によると、今年度の市立2病院の赤字見込み額は、物価高騰や職員の賃金上昇の影響で膨らみ、長浜病院が約20億円、湖北病院は約4億円。来年度以降、市で赤字分を穴埋めした場合、市の貯金に当たる基金は2033年度には枯渇するといい、浅見市長は「市が支援すれば、市の財政だけでなく、市民サービスにも深刻な影響を及ぼす危機的な状況になった」と指摘した。
市立2病院は、長浜赤十字病院とともに、日本赤十字社(東京)を指定管理者とする形での再編が検討されているが、浅見市長は「病院経営が成り立つという(再編の)前提条件が著しく変化した」と危機感をあらわにし、「市民や議員、関係者の英知を集め、乗り越えたい」と語った。
一方、日赤の担当者は「市の財政悪化についてはコメントする立場にない。引き続き、関係者と協議を続けていく」としている。