5日から「善光寺御開帳」 北陸新幹線との相乗効果に期待
4月から始まる長野市の「善光寺御開帳」は3月29日、前ぶれイベントとなる「回向柱(えこうばしら)奉納行列」と「回向柱受入(うけいれ)式」が市内で行われ、市民や観光客でにぎわいました。御開帳は、3月14日の北陸新幹線長野~金沢延伸とともに地元では今年の2大イベント。4月5日の開闢(かいびゃく)大法要から5月31日の結願(けちがん)大法要までの間、延伸効果と合わせ多くの入り込みが期待されています。 【図解】<北陸新幹線の観光効果>老舗長野の“小さな開国” 強敵は金沢?
「前ぶれイベント」がスタート
善光寺御開帳は、本尊「一光三尊(いっこうさんぞん)阿弥陀如来」の身代わりの前立(まえだち)本尊を数え年で7年に1度拝むことができる催しです。前立本尊と綱で結ばれた回向柱(えこうばしら)が本堂の前に立てられ、柱に触れることで前立本尊と縁を結ぶことができるとされています。 この日は、回向柱を善光寺木遣(や)りの先導で市民らが引き、大名行列などとともに表参道を善光寺に向かいました。沿道は観光客や市民であふれ、松代藩真田十万石槍(やり)振り隊の行列などに拍手が沸いていました。
北陸新幹線の金沢延伸と重なった今年の御開帳は、従来の首都圏、関西を中心にした全国からの参拝・観光客に加え北陸、新潟からの従来以上の入り込みが期待されています。地元は昨年、長野市や経済、観光、文化活動などの関係団体で構成する「ウェルカム長野2015実行委員会」を発足させ、盛り上げ作戦を準備。3月29日から5月31日までの間、JR長野駅から善光寺周辺にかけて祭りや音楽祭、トークショーなど多彩な催しの大型イベント「日本一の門前町大縁日」を開催します。 金沢延伸で沸いた地元の関係団体も御開帳準備に態勢を切り替え、23日には同実行委員会が市内の北陸新幹線延伸を祝うバナーを一斉に「日本一の門前町大縁日」PRのバナーに交換するなど意気込んでいます。
観光客200万人増を目指す
長野市によると、同市の通常年の入り込み観光客数は約1000万人で、消費額は約400億円。2011(平成23)年の場合、このうち善光寺関係は約600万人を占め、その観光消費額は約247億円です。延伸、御開帳の相乗効果をバネとした長野市の目標は、2016(平成28)年の入り込みを通常年より200万人多い1200万人に置きます。宿泊客も同35万人多い220万人に、観光消費額も80億円増へと期待します。