弟名義のETCカード使用の暴力団組長に懲役10ヵ月 弁護側は「親族間の貸し借りは一般的」と無罪主張 大阪地裁
高速道路を利用する際に弟名義のETCカードを不正に使い、料金の割引を得たとして罪に問われた暴力団組長の男に大阪地裁は懲役10ヵ月の実刑判決を言い渡しました。 暴力団組長の金東力被告(67)は2022年11~12月、大阪府内の有料道路で車に同乗していない弟のETCカードを不正に使用して計1400円の割引を得たとして電子計算機使用詐欺の罪に問われていました。 これまでの裁判で弁護側は、一般的に親族間でETCカードの貸し借りは行われているなどとして無罪を主張していました。 一方、検察側は車の速度違反を例に挙げ、「多くの車がスピード違反をしているからと言って、スピード違反が違法ではないとは言えない」などと訴えました。 さらに「そもそもETCカードを作成できない暴力団組員がカードを不正利用しており、犯行態様は悪質」などとして金被告に懲役1年6ヵ月を求刑していました。 8日の判決で大阪地裁は、「カード会社などがETCカードを名義人以外の者が使用することを禁止しているのは明らか」などとして、金被告に懲役10ヵ月を言い渡しました。 弁護側が「一般人であれば捜査すらしない」事件だと指摘していた点については、犯行の常習性や悪質性を鑑みたもので、「被告が暴力団員というだけで起訴されたとは言えない」と退けました。
ABCテレビ