激戦州でバイデン氏支持が後退、トランプ氏にリードは1州のみ-調査
(ブルームバーグ): 最近の調査で見られていた激戦州におけるバイデン大統領の支持率上昇は、ほぼ消失したことが明らかになった。米経済見通しへの深刻な悲観が支持率に響いた。
ブルームバーグ・ニュースとモーニング・コンサルトが行った最新の月次世論調査によると、11月の大統領選の勝敗を決めるとみられる激戦7州のうちバイデン氏が対抗のトランプ前大統領を上回ったのはミシガン州のみで、リードは2ポイントだった。
ペンシルベニア、ウィスコンシンでバイデン氏は小差で後れを取り、ジョージア、アリゾナ、ネバダ、ノースカロライナでは大差を付けられた。
3月の調査では一般教書演説が有権者に響いた様子で、昨年10月に開始した月次調査のうちバイデン氏の支持率は最高を記録した。だが、今回の調査はほぼ以前の状態に支持率が戻ったことを示した。
有権者が抱く懸念事項の常に最上位に挙がる景気について、今回の調査回答者は目先の見通しは暗いと指摘。激戦州の有権者の過半数が向こう数カ月に経済状況は悪化するとの見方を示し、インフレと金利が年内に低下するとみているとの回答は5人に1人もいなかった。雇用市場は底堅さを維持しているものの、失業率が年内に改善するとの回答は23%に過ぎなかった。
バイデン氏がトランプ氏を追い上げる上で鍵を握る無党派層では、景気改善を見込んでいるのは1桁台にとどまった。
モーニング・コンサルトのシニアマネジャー、マット・マンデー氏は、「一般教書演説による支持率押し上げの一部は消え去った。有権者はバイデノミクスと景気認識をインフレ率と実際結び付けて考えている」と述べた。
調査回答者のうち、米経済の現状は大統領に責任があるとの認識を示したのは4分の3以上に達し、ほぼ半数は「大いに責任がある」とした。
調査は激戦7州で今月8日から15日までに行われ、誤差はプラスマイナス1ポイント。この期間中に発表された米消費者物価指数(CPI)統計は再び予想を上回り、利下げ先送りの論拠を強めた。有権者も近く利下げが行われることはないとみていることが示唆される。