奨学金の返還は少しなら「延滞」しても大丈夫ですか? 手取りが少なく厳しいのですが、普通の「借金」とは違いますよね…?
教育を受けるために利用する奨学金の返還に対して「甘い」イメージを持っていませんか? 「少しなら滞納しても催促されない」「返還が遅れてもブラックリストには載らない」などです。 しかし、そんなことはありません。奨学金であっても、普通の借金と同じように考えておかなければ大変なことになります。それでは実際にどのような事態が起こるのか、本記事で解説します。
奨学金は「借金」である
奨学金は家庭から進学費用の捻出が難しい学生に向けて、学資の給付や貸与を行う制度です。本記事で解説するのは返還がある奨学金なので「貸与」に当たります。 ただ、貸与とわかっていても、「奨学金」と言い換えられるとマイルドな印象になりませんか?「借金だけれど、ちょっと違う」ような気がするかもしれませんが、まぎれもない「借金」であることを再認識しておきましょう。 以下で解説する、奨学金の返還を滞納した場合に起こる事態は、借金を滞納した場合と同様なのです。
奨学金の滞納で起こる事態
奨学金を滞納した場合に起こる事態は、大きく以下の3つです。奨学金だからと軽い気持ちで滞納してしまうと後悔するかもしれないので十分に理解しておきましょう。 ■延滞金が発生する 期日までに返還しなかった場合、遅れた日数分に対して延滞金がかかります。延滞金とは遅れた部分に対する利息で、奨学金を貸与する独立行政法人日本学生支援機構の利率は年3%(2020年3月28日以降)となっています。 なお、奨学金や借金に限らず、税金やクレジットカードなどの期日に遅れた場合にも延滞金は発生します。三井住友カードの延滞金(遅延損害金)は年14.6%(2023年11月時点)である点を見ると、奨学金の利率は非常に優遇されているようです。 ■ブラックリスト入りする 返還の催促を受けても放置し続けて3ヶ月が経過すると、個人信用機関に登録されてしまいます。いわゆるブラックリスト入りというものです。 ブラックリストに載っている人はお金に関する信用が得られにくくなるため、各種ローンやクレジットカードの審査をクリアできない可能性が高いです。マイホーム購入など必要な時にお金を借りられないとなると困りますね。 ■差し押さえを受ける ブラックリスト入りからも、再三にわたる返還の催促を放置すると、裁判所への手続きに進むでしょう。給与や預金などの財産を差し押さえられることになります。
まとめ
奨学金は普通の借金とほぼ同じです。滞納すれば督促を受け、延滞金の発生、ブラックリスト入り、差し押さえを受けることを知っておきましょう。奨学金の返還が難しい場合でも絶対に放置せず、月々の返還額を少なくして返還期間を延ばす「減額返還制度」や、返還を一定期間待ってもらう「返還期限猶予」の利用を検討してみてください。 出典 独立行政法人日本学生支援機構 延滞金 独立行政法人日本学生支援機構 返還が難しくなった場合 ※2023/11/20 記事を一部修正いたしました。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部