「度胸がない」とカーキ色のコートを着て代々木公園のカップルにネタ見せした日々 芸人・山本高広が織田裕二のものまねでブレイクするまで
織田裕二さんの「キター!」でおなじみのものまね芸人・山本高広さん。「ものまね芸人になる」とカラオケで練習に励むなか、自分には芸人としてあるものが決定的にたりないと気がつきます。(全4回中の3回) 【写真】「静止画でもこの再現度」Instagramで披露した山本高広さんのものまね傑作集(全16枚)
■隣の部屋に突撃し「ネタ見てもらえませんか?」 ── 現在では織田裕二さんなどのものまねで活躍する山本さんですが、ものまね芸人を目指したのはいつからなのでしょうか? 山本さん:高校卒業後は調理の専門学校に行き、見習いとして2年半のあいだ修行。その後も声優の専門学校や俳優を目指して劇団に所属するなど、ものまね芸人とはほど遠い生活をしていました。
26歳のときに人間関係に悩み、劇団を辞めた後は、半年くらいフリーターとしてパチンコ屋でアルバイトをしていました。そのころにテレビでコージー冨田さんがタモリさんのものまねをしているのを見て、自分も小さいときに地元で選挙活動をしていた政治家・麻生太郎さんのものまねなどをよくしていたことを思い出しました。それで、自分もものまねを仕事にできないかと考えたんです。 ── そこからどうやってものまねの技術を習得したんですか?
山本さん:基本的には独学です。私は思い立ったらすぐに行動しないと気がすまないタイプなので、その日から9時~17時のアルバイトが終わるとカラオケボックスに行き、ひたすら練習をしました。歌では氷室京介さんや郷ひろみさんの練習をしていましたが、カラオケだから歌まねばかりしていたわけではなく、当時バラエティーによく出演されてた中尾彬さんやニュースで話題になっていた鈴木宗男さんなどのしゃべりネタもやっていましたね。
── ものまねの腕前はすぐに上達したのでしょうか? 山本さん:上達したかどうかというより、練習していくうちに「ものまねでいちばん大切なのは度胸ではないか」と思い至りまして。度胸がなければ舞台に立ったとしても上手にものまねなんてできないですから。当時の私には度胸がまったくありませんでした。だから、度胸をつけるためにカラオケボックスで知らない方々のいるお部屋をノックして、「ものまね芸人を目指しているんですが、ネタを見てもらえませんか?」と突撃したんです。