奥の手“3セット回し”で起死回生を図った木暮賢一郎監督「ここからは全てのゲームが決勝戦」【アジアカップ2024|ミックス/日本vs韓国】|フットサル日本代表
4月20日、日本代表はタイ・バンコクアリーナでAFCフットサルアジアカップ2024グループステージ第2節・韓国代表戦に臨み、5-0で勝利した。 【映像】渾身の一撃!衰え知らずのベテランがみせた超弾丸シュート! 3失点を喫した、キルギス戦の敗戦から中1日。木暮賢一郎監督は初戦での課題や選手の疲労度も考慮し、戦い方の刷新を決断。 少ない調整時間で力を発揮することを優先事項に置き、利き足を活用した組み合わせのほか、所属クラブが同じ選手同士を集めた3セットをベースに、「負けたら終わり」の日韓戦に臨んだ。 キルギスとは相手のクオリティも体格も違えど、選手同士の“阿吽の呼吸”で攻撃が活性化した日本は、新井裕生の2試合連続ゴール、平田ネトアントニオマサノリのPK弾で4得点を重ね、最後は仁部屋和弘のダメ押しゴールでフィニッシュ。クリーンシートで今大会初勝利を収めた。
次につながるようなゲームができた
──初勝利おめでとうございます。試合を振り返って。 選手たちはすごくいい雰囲気を作り出してくれたし、本当に誇りです。勝ち点3という結果だけではなく、次につながるようなゲームができたかなと思います。 ──あまり自分のスタイルでは話をしていましたが、3セット回しの手応えは? 結果プラス、内容でもいい感触はあるのかなと。フィジカル的にもメンタル的にも最大限の準備をしていい状態で目標を達成するために、選手たち全員が均一に、そして事前にコミュニケーションを取ったプランニングを遂行できたと思います。(タジキスタン戦も)もちろん全ての時間を3セットでやるかどうかはわからないですが、明日のトレーニングも含めてしっかりと映像を見て、それぞれの良さを生かせるようにブラッシュアップしていきたいです。 ──清水和也選手が不在のなか、新井裕生選手と平田マサ選手と2人のピヴォが躍動して、特に新井選手は2試合連続でスコアを動かしてくれました。 昨日の練習で、これまで積み上げてきたものと、追加招集できてくれた選手との噛み合わせを微調整をしながら、セットごとにアイデアを出して臨みました。それぞれに違った特徴があって、そのいいところを出してくれました。裕生は4枚でのなかでの動き、マサに関しては今まで代表でやっていたモビリティを出すというよりも3-1で前で張るというプレーが多くなりましたが、チームのために献身性を発揮してくれました。 ──仁部屋(和弘)選手も、前で仕事をしながら得点を決めましたね。 昨シーズン、(バサジィ)大分でもピヴォとして試合に出たこともありますし、(山中)翔斗と(長坂)拓海の2人のアラもいるので、特に翔斗がボールをもった時に、ピヴォに入れれば入ってもいいし、そこから降りてきてもいい。裕生がやっていることの右利きバージョンの動きをオーダーはしつつも、構築するのは簡単ではなかったと思いますがうまく適用してくれました。あとから合流したので、ゲーム勘という点での難しさは彼とアンちゃん(安藤良平)に関してはあると思いますが、今の時点でもよくやってくれているし、試合をしながらさらにコンディションを向上していんのではないかなと思っています。 ──ここ2試合を戦って、審判のジャッジの基準の難しさについては、どう感じていますか? 基準よりもまず、マインドの部分ですよね。昨日も結果論にはなりますが、僕らの集計だと相手の枠内シュートが4本(公式記録で5本)で、フリーキック2本と“チョンドン”の形での3失点でした。もちろん防がないといけない失点で、そこに関してはしっかりミーティングもしてますが、他のところは特に悲観するばかりのゲーム内容ではなかったと捉えています。ただ、ゴール前でファウルを与えてしまうと、シュートのパンチ力はFリーグとも全く違う。シンプルに打ち込んでくるところに関してはまずファウルを与えないこと、自陣でのエラーで簡単にセットプレーを与えないという点に関してはかなり話をしたので、そこのマインドセットが今日はできたんじゃないかなと思います。 おっしゃるとおり試合によって基準がころころ変わることあるので、そこはジャッジしないといけない。一方で、モビリティを出す我々の戦い方に対して相手の手が出てくると今日のようにファウルが重なると思うので、ワンツーであったりはたいて出ていく動きをして、アドバンテージに変えていきたいです。 ──昨日吉川選手に話を聞いた時に、気持ちが切り替えられるように監督がモチベーションを高めてくれたということをお伝えしたんですが、具体的に選手たちにはどんな話を? 何を言ったかはあまり覚えてないですけど……。前回大会のサウジアラビア戦での経験を踏まえても、人間は成長できると思ってます。2大会連続で初戦で負けてしまったことについては厳しい意見もあるでしょうし、真摯に受け止めなければいけないところもあります。それでも、選手全員を1試合で使えたことや、試合後のモチベートは自分自身も少しは成長しているのかもしれません。彼らのエネルギーになるような話をできたのかはわからないですが、選手に伝わるものがあったならばうれしいです。 ──タジキスタンの印象は? キーパーを上げてくる時間帯も多くなるでしょうし、9番と10番の選手の個の強さを生かしたカウンターもうまいチームです。我々がボールを持つ時間は長くなるのかなと予想をしているので、カウンターは特に気をつけたいですね。守備に関してはゾーン気味で位置を取りづらいこともありますが、数的優位を作りやすいところもあるので、セットプレー含めてしっかりと分析をして明日のトレーニングで形にしたいです。あとはノックアウトステージでどこと対戦するとか、順位に目を向けるのではなく、何が何でも勝ってベスト8に行くことにフォーカスする。おそらく得失点差の影響もあまりないですし、あくまで勝つことが条件だと考えて余計なことは気にせずに。ここからは全てのゲームが決勝戦で、どこと当たっても勝たないといけない。まずはタジキスタンに勝って、その後に次のことを考えます。