浦和学院エース・宮城、半年ぶり聖地で成長見せる 選抜高校野球
第94回選抜高校野球大会は第1日の19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、昨秋の関東大会4強の浦和学院(埼玉)は第1試合で21世紀枠で初出場の大分舞鶴に4―0で勝った。エース左腕・宮城誇南(こなん、3年)が完封した。 【大分舞鶴と浦和学院の熱戦を写真で】 独特の雰囲気に包まれる開幕試合の緊張感も雨天順延による影響も、全く感じさせない圧巻の投球だった。浦和学院のエース左腕・宮城は117球を投げ抜き、被安打2、奪三振13の完封。初戦で敗れた昨夏以来、約半年ぶりに立った聖地のマウンドで、成長した姿を見せた。 もともと定評があった制球力に加えて、冬場に磨いてきた直球のキレが効果を発揮。球速を120キロ台に抑えても、「初戦なので力まずに」と意識したことで球は切れていた。「ボールでもいいから振っていこう」と直球を狙っていた相手打線のバットに、ことごとく空を切らせた。さらに、130キロ台半ばの直球も投げることで、スライダーとの緩急も巧みに使えた。 三塁を踏ませないまま九回は3者連続三振で締め、2016年の智弁学園(奈良)・村上頌樹(現阪神)以来となる、開幕試合の完封を成し遂げた。「自分の中で、しっかり組み立てて投げられた」。表情に充実感がにじんだ。 宮城にとっても、浦和学院にとっても特別な春だ。宮城は下級生ながら背番号1を背負った昨夏の甲子園も4番手で登板したが、チームは競り負けた。勇退する森士(おさむ)前監督の最後の試合となり、宮城は「甲子園で勝ちきれなかった夏の悔しさを持って、冬場の練習に取り組んだ」。 前監督の長男の森大監督が就任し、迎えた甲子園の初陣。試合後、ウイニングボールを手にして笑顔の監督からねぎらいを受けた。「どんな時も味方でいてくれた。心強かった」という監督に、エースらしく力投で恩返しした。【川村咲平】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。