現在ギリギリ「103万円に届かない」年収で働いています。扶養を抜けたいのですが、少し年収が増える程度では「損」なのでしょうか?
パートで働いている方の手取り額に影響する金額が、年収103万円と106万円です。年収103万円を超えると所得税が課され、年収106万円を超えると、扶養を抜けて社会保険に加入することになり、保険料が発生します。 収入から引かれる金額が増えるため、損をすると考える方もいますが、106万円以上を働いて社会保険に加入すると、将来受け取れる年金の金額が増えたり、利用できる手当が増えたりするなど、メリットも少なくありません。 今回は、103万円と106万円の壁についてと、扶養を外れるとどうなるのかについてご紹介します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
103万円の壁と106万円の壁
扶養内で働いていた方が気になることとして「103万円の壁」と「106万円の壁」があります。103万円の壁は、所得税が課される年収を指しており、106万円の壁は、扶養から外れることになる年収を指します。 ■所得税が課される103万円の壁 103万円の壁を超えると、扶養からは外れませんが、給与から引かれるお金に所得税が加わるため、天引きされる金額が多くなります。 なお103万円という金額は、税金の計算をする際に、総所得金額から差し引く基礎控除48万円と、給与収入から差し引いて考える給与所得控除55万円を合計した金額です。103万円以内であれば、控除額の合計内に収まるため、所得税はかかりません。 ■扶養を外れる106万円の壁 106万円の壁を超えると、多くの方は社会保険に加入することとなるため、扶養から外れます。2022年9月までは、従業員数501人以上の会社に勤めている方が条件を満たしていれば、社会保険が適用されました。 しかし、2022年10月からは従業員数101人以上の会社が、さらに2024年10月からは従業員数51人以上の会社が対象となるため、パートやアルバイトで働いている方の多くは、社会保険が適用されることになります。 該当する会社で働いている方で、社会保険が適用される条件は、以下の通りです。 ●所定労働時間が1週間で20時間以上30時間未満 ●基本給と手当を合わせた所定内賃金が月に8万8000円以上 ●2ヶ月を超えての雇用見込み ●学生以外(休学中や夜間学生を除く) 所定内賃金が月に8万8000円以上ということは、年収に換算すると105万6000円以上ということです。106万円の壁といわれるのは、この金額に基づいています。