日本での商用運航も秒読み段階に入った。急上昇中「空飛ぶクルマ」の現在地
全国の自治体も「空飛ぶクルマ」に熱視線を注ぐ
自治体もその導入に向けて積極的に動いている。なかでも福島県に開設された「福島ロボットテストフィールド」は、国内有数の規模と充実した設備で業界筋ではつとに知られている。2020年春に空飛ぶクルマや物流ドローンの研究開発・試験設備として開設。東京ドーム約10個分に相当する約50hの広大な敷地には、世界最大規模研究施設および実験設備が整い、さらに南相馬から浪江に至る約13kmにおよぶリアルワールドの長距離試験飛行が可能な世界有数の開発拠点だ。 また、2024年3月11日には、茨城県のつくば航空と日本のスタートアップであるAirX社が、空飛ぶクルマの実証・インフラ拠点となる「つくば空飛ぶクルマ テストフィールド」を開設した。いよいよ関東圏でも「空飛ぶクルマ」の姿が見られるようになる。 他にも愛知県では空飛ぶクルマの開発・生産拠点となるべく、「豊田市ものづくり想像拠点 SENTAN」、「空飛ぶクルマ実証フィールド」のほか、2カ所の大規模ドローン実証実験場を開設。地元愛知県のスタートアップの実験支援を行なうなど、全国で研究開発体制の整備が着々と進められている。 電動モビリティといえばとかくEVにスポットが当たりがちだが、乗り物の電動化、パーソナル化はモビリティのあらゆる分野で急加速している。空飛ぶクルマに対しては“果たして本当にものになるのだろうか?”という声も聞こえてくるが、商用運航が始まり多くの事業者が本格参入してくれば、利用料金も下がり新たな乗り物として自ずと認知も広がるはずだ。