『男と女』のアヌーク・エーメが死去 享年92歳
現地時間6月18日(火)、映画『男と女』などで知られるフランスの俳優アヌーク・エーメが亡くなった。92歳だった。娘で俳優として活躍しているマヌエラ・パパタキスがインスタグラムで公表した。「娘のガラード、孫娘のミラとともに、母アヌーク・エーメの旅立ちをお知らせすることに大きな悲しみを感じています。母がパリの自宅で今朝亡くなったとき、私はすぐそばで見守っていました」とコメントしている。
1947年、14歳でアンリ・カレフ監督の『密会』でデビューしたアヌーク。この作品で演じた少女の名を芸名としてスターへの道を歩んでいく。フェデリコ・フェリーニ監督の『甘い生活』(1960年)や『8 1/2』(1963年)、ジャック・ドゥミ監督の『ローラ』(1961年)など名監督らの作品に出演してきたが、やはり代表作はカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したクロード・ルルーシュ監督の『男と女』(1966年)。ヒロインを演じてゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞を受賞、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた。また2002年には映画界に対する長年の功績を称えフランスのアカデミー賞と呼ばれるセザール賞で名誉セザール賞を受賞、翌年にはベルリン映画祭で名誉ベルリン金熊賞を贈られた。
プライベートではエドゥアール・ツィメルマンと1949年に結婚、翌年破局している。1951年にギリシャの映画監督ニコ・パパタキスと結婚し、マヌエラをもうけたが1955年に離婚。その後1966年に『男と女』で共演した俳優のピエール・バルーと結婚するが、3年後に別れている。1970年に俳優のアルバート・フィニーと結婚、1978年に離婚した。 女性とヌーベルバーグの関係について研究している映画学者のサンディー・フリターマン・ルイスはアヌークの魅力を「不穏で神秘的な美のオーラ」と表現している。その唯一無二のオーラはこれからもスクリーンで生き続けるだろう。安らかな眠りを祈りたい。