「このままでは確実に死ぬな」立てない、食べられない、水も飲めない…“余命4ヶ月の森永卓郎(67)”が直面した「がん治療トラブル」の正体
森永 そう、分からなくなっちゃったんです。がんの種類が分からないから、手術も放射線治療も抗がん剤投与もできない。それで、現状の診断は「原発不明がん」となりました。しかも終末期です。また、介護保険上のレベルは「要介護3」(生活全般で介護が必要になる状態)に該当しています。
毎月の治療費は100万円超
岸 費用面でも負担は大きいですか? 森永 オプジーボという免疫治療の点滴薬、これは原発不明がんの場合、保険適用になります。ですから、毎月の実質負担が20万円ちょっとぐらい。だから、岸さんと同じくらいですね。 岸 やはりかかってきますね。 森永 ただ、それだけじゃないんです。血液免疫療法をやっていて、2週間にいっぺん血液を抜いて、免疫細胞を増殖させて戻す。これがひと月100万円ぐらいかかるんです。保険が適用されないものですから。 岸 それはマジで大変だ。 森永 だから現状、毎月100万円以上が消えていく。普通のサラリーマンだったら一発アウトの状態です。もう死ぬだろうと思って、最後まで残していた外貨建ての投資信託をすべて売り払い、いまの治療を4、5年は続けられる資金は確保しました。もっとも、いまのようにきちんと話ができる状態、これはあと数カ月というのが私の考えるタイムスパンです。 岸 病気になってから分かったことに、基礎体力の重要性があります。僕はロッククライミングをやっていて、若い頃から体は鍛えていたのですが、その「貯金」のありがたみをいまになって実感しています。 森永 岸さんはまだ体が動かせそうですが、いまも何か運動をされていますか? 岸 はい。運動というほどのものではないですが、皇居に近いところに住んでいるものですから、毎週1、2回は皇居(外周)を1周走る。だいたい30~40分ぐらいですかね。日常生活でも、移動の際、意識して歩くようにはしています。
森永 卓郎,岸 博幸/Webオリジナル(外部転載)