小池東京都知事に元側近が悔恨の告白で学歴詐称疑惑再び…会社員では38年後の発覚で懲戒解雇の事例も
疑惑がクロだった場合、小池氏に科せられる法的処罰は
では、小池都知事の経歴詐称が事実と判明した場合、どのような罪に問われ、どのような処遇を受けるのか。今回のように出身大学を詐称する学歴詐称の場合、学位を詐称することになり、軽犯罪法違反(軽犯罪法1条15号)に問われる可能性がある。 小池都知事のケースであてはまるかは分からないが、カイロ大学を卒業したという文章を他人の印章や署名を利用して作成し、他人をだまそうとしていたなら、私文書偽造罪(刑法第159条)となり、3カ月以上5年以下の懲役も考えられる。 もしも詐称した経歴で金品などの財物の交付を受けていたり、財産上の不法の利益を得ていたりすると詐欺罪が成立する可能性もあり得る。 小池都知事の場合でもっともダイレクトに影響がおよびそうなのが、公職選挙法違反(公職選挙法235条1項)だ。もしも選挙公報に学歴などの虚偽の記載をした場合、公職選挙法違反に問われ得る。当選無効や刑事罰が科せられることもあるかもしれない。
新年度だから身を清めておくことが“出世”に最善
新年度が始まり、決意も新たに社会人としてのスタートを切った人も多いだろう。経歴に限らず、ちょっとしたウソも後になって、大きな問題に発展する可能性がある。 会社員の場合なら就業規則などに経歴詐称の規定があれば、懲戒解雇もあり得る。虚偽の職歴を根拠に賃上げ交渉し、賃上げを獲得した事例では、会社側の損害賠償が認められたケースもある。就職して38年後に学歴詐称が発覚し、懲戒解雇となった事例も存在する。 新たな船出となるこの時期。だからこそ、やましいことがあるならキチンとクリアにし、一点の曇りもない状態でスタートする。それが、今後の躍進を見据えても最善であることはいうまでもないだろう。
弁護士JP編集部