【パリ五輪『完全ガイド』】《陸上》絶対女王「槍投げ・北口榛花」を中心に男女とも有力候補がズラリ!
〈7月27日に幕を開けた『パリ五輪』。史上最多58個のメダルに輝いた東京五輪に続き、今大会もメダルが期待される競技が目白押しだ。注目競技の見どころを、レジェンドたちに徹底取材。日の丸アスリートのメダルラッシュに酔いしれよう!〉 【画像】パリで期待!日本陸上界の"凛々しく美しい"女性アスリートたち ◆北口榛花(はるか)(26) 女子やり投げ予選 8月7日17:25~(未定) 決勝 8月11日2:40~(NHK総合) 「北口は世界ランキング1位(7月16日現在)ですから、金メダル候補の筆頭です。本番中に確実に調整して後半にベストを叩き出してきます」(日本陸上競技連盟関係者) かつて競技歴1年にしてインターハイで優勝。6年前、高校卒業後に伸び悩んだ北口は本場チェコへ単身留学し、先の東京五輪では日本女子として57年ぶりの決勝進出を果たした。 「留学前は悩んでいましたが、チェコで大きく成長し自分のスタイルが定まった印象。彼女は水泳とバドミントンの経験者で肩が非常に柔らかい。専門競技を持つうえで複数競技の経験があるほうが良いとされており、その好例ですね」(元五輪代表選手で『Deportare Partners』代表・為末大氏) 日本とチェコ、二つの″故郷″の思いを乗せた北口のやりがパリの大空に舞う。 ◆田中希実(24) 女子1500m予選 8月6日17:05~(NHK総合→Eテレ) 決勝 8月11日3:25~(未定) 女子5000m予選 8月3日1:10~(TBS系列) 決勝 8月6日4:10~(TBS系列) 田中の必勝の秘訣は、後半のロングスパートにある。スタミナ切れしたライバルたちが最後の力を振り絞るなか、圧倒的な速さと力強さで淡々と引き離す。 「中距離走は例えるなら競馬。肩をぶつけ合いながらも前に出る強さと、位置取りやダッシュをかけるタイミングなどの戦術が醍醐味です。日本記録を総ナメした最強選手がどう世界の壁に喰らいついていくのかが楽しみです」(為末氏) ◆田中佑美(ゆみ)(25) 女子100m障害予選 8月7日17:15~(NHK総合→Eテレ) 準決勝 8月9日19:05~(NHK総合) 日本ナンバー1女子ハードラーが土壇場で挫折を味わった。最後の選考レース、0.03秒差で1位の福部真子(28)に続く2位となり、ギリギリの代表入りとなった。 「アメリカやアフリカ勢が強く、誰が出ようと日本女子は挑戦者。日本のハードルは男子が力をつけてきており、女子も一緒に成長できると思います」(為末氏) 悔しさをバネにした田中の戦いっぷりが会場の熱量をあげてくれることだろう。 ◆橋岡優輝(25) 男子走幅跳び予選 8月4日18:00~(未定) 決勝 8月7日3:15~(日本テレビ系列) 日本選手権6度優勝の男が、東京五輪6位の雪辱を果たそうとしている。 「走り幅跳びはメンタル勝負です。圧倒的なスプリント力に、踏切ギリギリで思い切り飛べる技術と動じないメンタルが橋岡選手の強み。一方で、予選から決勝まで疲労があるなか、6回の跳躍を整えていく調整力が課題です」(スポーツライター・佐藤俊氏) 自己ベストは先の東京五輪ならば銅メダル。充分、メダル圏内である。 ◆泉谷駿介(24) 男子110m障害予選 8月4日18:50~(NHK総合→Eテレ) 準決勝 8月8日2:05~(NHK総合) 日本は今まで110mハードルで世界大会の決勝に残れなかったが、昨年の『世界陸上』でその壁を破ったのが泉谷だ。 「男子は女子より23㎝もハードルが高く、跳躍力が求められる。泉谷選手は幅跳びでも8m以上飛ぶなどバネがすごい。ハードル以外の競技でも通用するスピードと跳躍力、さらにリズム感に長けた世界一線級の選手です」(為末氏) 男子陸上で最もメダルに近い存在だ。 ◆サニブラウン・アブデルハキーム(25) 男子100m準決勝 8月5日3:00~(未定) 決勝 8月5日4:50~(TBS系列) 男子4×100mリレー予選 8月8日18:35~(NHK総合→Eテレ) 決勝 8月10日2:45~(NHK総合) 「世界の上位選手は体内に正確なスピードメーターを持ち、体力を温存しながら決勝へと勝ち進んでいきます。サニブラウン選手は1回のレース中でトップスピードを長く維持する力はすでにあるので、決勝にピークをもってこられるかがカギです」(佐藤氏) 終盤の″伸び″を持ち味とするサニブラウンは、これまでスタートダッシュを課題に練習を積んできた。 「スタートが成功した時と失敗した時を比べると0.1~0.2秒くらいの差があるほど彼はスタートが不安定で、本人もその自覚がある。スタートから60m地点での最高速度はトップレベルなので、スタートが上手くいけば上位で勝負できる選手だと思います」(為末氏) ウサイン・ボルト(37)の引退後、圧倒的王者不在のスプリント界で頭角を現すポテンシャルを秘めている。 『FRIDAY』2024年8月9日号より
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