まずは神様に自己紹介。初詣で願いを届ける参拝の作法【年末年始のマナー】
年末年始には、古くから伝わる風習がたくさんあります。でもその意味や正しい作法は、意外と知らないもの。いざというときに迷わないよう、年末年始のしきたりやマナーを「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に教えてもらいました。 【画像を見る】有名な大社と地元の神社、どちらにお参りするのが正解? 今回は、初詣について。拝殿で「拍手は何回だったっけ...?」なんてならないように、正しい作法を覚えておきましょう。 ■まずは住所と名前から! お願いごとをは心を込めて一つだけ 参拝の際、いきなりお願いごとを言うのはタブーです。 また、心の中で住所と名前を神様に告げて、自分の所在を明らかにするのも大切です。 名乗ってから、「昨年はありがとうございました」「無事に新年を迎えられました」などと、感謝を捧げましょう。 「お願い事をする際もあまり欲張らず、心を込めて一つだけお願いしましょう。その際も「○○を叶えてください」ではなく、「○○が叶うよう、お力をお貸しください」というように丁寧にお願いすること。そして、願い事が叶った時はお礼参りをして、神様とのご縁をつなげていけるといいでしょう」(岩下先生) <参拝の作法> ・拝殿の前で軽く一礼する ・鈴を鳴らし、静かに賽銭を納める ・深く2回、頭を下げる ・両手を合わせ拍手を2回打つ ・両手を合わせて祈念する ・深く一礼し、後ずさりして拝殿から退く 参拝の際も真ん中に立つのは避けるようにしましょう。 また、神社によって作法が違う場合もあるので、その神社の作法に従ってください。 参拝は、初詣はもちろん、厄除けのご祈祷や七五三参りなど折に触れて必要になるもの。正しい作法を身につけて、神様にしっかり願いを届けましょう。 教えてくれたのは 岩下宣子先生 「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『日本人なら知っておきたいしきたり大全』(講談社)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)など著書多数。近著に『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)。 文=さいとうあずみ